「家紋を楽しむ」by id:vivisan


自分のイエの家紋ってご存知ですか?
家紋はみなさんのイエに必ずあると思います。これはもともと戦場で敵味方の区別がつくようにということで、花・植物・動物・文様・調度類などをデザイン化したものです。私が得意な!?鎧や陣笠には家紋がついています。そしてご先祖さまから綿々とうけつがれていくイエの象徴そのものです。
基本的には着物につけたり、お墓にいれたりするのが普通で、あまり普段はなじみがありませんが、最近ちょっと人気がでてきたようですね。しかも洗練されたデザインが海外からも評価を受けているようです。そういえば、ヴィトンのモノグラムは、日本の家紋をモチーフにしているというのは有名な話です。
有名なのは、黄門さまの印籠についている徳川の紋(三つ葉葵)とか、真田氏の紋(六文銭)、蜂須賀氏の「卍」などがあります。またかわいい千鳥の紋なども。
私は着物をよく着るのと戦国好きな関係上、ものごころついたときには、父方と母方の家紋を知っていました。
そして自分が喪服を作るとき、家紋を入れました。結婚前に作ったので、実家の紋(五三ノ桐)です。結婚後は、ダンナ方の紋になるので、(違い鷹ノ羽)になりました。
どちらもよく使われている家紋なので、めずらしい柄の家紋をうらやましく思っていました。
しかし、家紋について調べていくうちに家紋にもいろいろな種類があるのだということを知りました。
イエの家紋は男性が代々受け継いでいくので、男紋とも定紋ともよばれます。
しかし、女紋というものも存在するのです。私のイエには伝えられていなかったので知りませんでした。この女紋も地域によっていろいろ解釈が違うようです。
○着物につける場合、男紋は一寸、女は五分五厘というように家紋のサイズをあらわす場合(女性のほうが若干小さくいれるのが一般的)
○祖母→母→娘に、イエの女性にうけつがれていく紋(母譲りの紋)
○家紋から丸を外した紋
○通紋(女性なら使ってよい代表的な紋)
などなどです。
女紋が残っているのは、西日本に多いのだとか。


女性だったらだれでも使える紋
・五三ノ桐
・蔦
揚羽蝶
紋をいれる着物を作るとき、家紋がわからない時はこの3つのうちのどれかをいれるそうです。
でも五三ノ桐はうちの家紋。代用紋みたいでちょっと・・って思っていました。
母譲りの紋は、女性だけが受け継がれる紋です。これらは婚家からもどってきた場合でも使えます。また、「悪霊は背後から忍び寄る。背中の紋はその守りである」という言い伝えがあり、嫁ぐ娘に祈りを込めてこの紋を持たせたそうです。もしかしたらイエはてなのみなさんのおうちにもこの紋があるところがいらっしゃるかも。
でもこれを知ったとき、女紋って嫁いでいかなければならない娘に送れる財産なんだなぁ・・、母の愛みたいなものを感じました。
そこで、わたしも母譲りの紋を探してみようと思いました。すぐにわかるのは祖母までですが、桔梗紋です。公の席にはつけていくことはできませんが、祖母からの紋も大切にしたいと思います。
家紋を調べることは、自分のイエのルーツを調べることにもなります。女紋を調べていったら、母方のご先祖さまを知ることができると思います。
しかし、新たにに紋を作ることも可能です。私紋といって代々継承はせずに、本人のみの紋として使うことができます。
私の友人はペットのワンコの肉球を私紋にして、着物にこの紋を入れていました。団子三兄弟のような串にささった団子をシャレで紋にしている人もいます。
自分だけの紋をつくって楽しむのもいいですね。
紋は立派なデザインなので、Tシャツのワンポイントにしたり、手芸の模様にしたり、名刺につけたり、といろいろ応用が可能です。
うちには好きな武将の家紋入りのお猪口がいくつかあります。
最近は結婚式もお葬式もレンタルなどで自分の紋ではない紋をつけることが多く、ちょっと残念ですが、代々続く家紋を大事にしていきたいなと思いつつ、今の時代は家紋のデザイン性を重視して楽しんでいくものに変化していったんだなぁと思います。


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