これは旨いよご当地もの!地方ならではの味

#003 お題
これは旨いよご当地もの!地方ならではの味」を教えて下さい


“ルポ・タイトル”
「京都の冬の名物、すぐき漬けの振り売り」by ハザマ


“ルポタージュ”
私は京都に長く住んでいたので、ご当地ものでまず思い出すのが、上賀茂のすぐき。みなさん食べたことありますか?京都で生まれ、この地でしか栽培されていないかぶらの仲間で、なぜかお漬物にしかされず、古漬けのような独特の酸っぱい風味。珍味と言ってもいいくらい少々クセのある味わいですが、それが何ともクセになる美味しさなんです。今でも上賀茂の農家の庭で、長い木の先に重石を付けた樽がずらりと並ぶ光景は冬の風物詩。すぐき菜を塩だけで漬けて乳酸発酵させるというめずらしい漬け方なんだそうです。冬の短い間しか食べられないもので、丸すぐきと刻みすぐきがあり、私は刻みすぐきをお茶漬けにしていただくのが好き。渋い酸味がきいてとても美味。
今では通販などでも手に入るようですが、京都では振り売り、つまり農家の人が自家で出来た採れたての野菜をリヤカーなどに乗せて歩いて売って回るという姿がまだ残っていて、冬になるとすぐき売りのリヤカーが上賀茂近辺だけでなく三条あたりまで見られます。すぐきも作られた農家の方の手から受け取っていただくと味も格別。あぁ、今年もこの季節がきたんですね、ありがとう、いただきます。季節の京野菜もそうですが、何といってもすぐきは京都ならではの味。もちろん通販で買ってみるのもよし、また冬の京都に行かれることがあったら、ぜひ農家でできたてのすぐきを見つけて味わってみて下さいね。


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※今回の「いわし」ご投稿はは12月20日(木)正午で終了とさせて頂きます。