イエコト・ミシュラン

「ハーブビネガーでお寿司を作っちゃおう♪」by id:vivisan


ハーブの用途してよく知られるものにハーブビネガーがあります。ビネガー=お酢ですね。酢にハーブの香りを移したもので、酢に生やドライのハーブを漬け込んでおくものです。歴史はとても古くて、最も古い記述は、紀元前5000年頃バビロニアナツメヤシやぶどうから酢を作ったといわれているようです。健康によいということもわかっていたようで、ギリシャでは病気の治療用として使ったという記録が残されています。
そして世界各国で酢は調味料に健康にと現在使われています。原料も穀物だったり、果実だったりと幅広く作られています。効能については、酢に含まれる酢酸やクエン酸などが疲労原因物質の乳酸を分解してくれるので疲労回復の効果が期待できますし、また酢に含まれるアミノ酸も脂肪を分解する働きにより、肥満防止にも期待できるようです。


さてこのハーブビネガーですが、ハーブの芳香には酢のツンとした刺激をやわらげる効果があり、まろやかな味わいにしてくれます。お酢代わりに様々な料理に利用できます。このハーブビネガーの用途がすごく多いんですよね。ドレッシングにしたり、マリネ液やピクルス液などのかわりにもなります。また肉や魚の料理にふりかけるだけでもさっぱりした味になります。あとデザートに少しかけるだけでもまた違った味に。


ただ、何のハーブを使うかによって、このハーブビネガーの用途もずいぶん代わります。個性的な強い香りのするハーブなどは、コクのある料理によいですし、マイルドな香りのものは料理を選びません。


というわけで、ハーブビネガーを作ることから始めるのですが、お酢で思いつくものといえば、日本ではお寿司の寿司飯です。だいたい寿司飯には米酢を使います。ハーブビネガーというとなんとなく西洋の料理にしか使えなさそうな気がするんですが、いやいやどっこい漬け込むハーブによっては寿司飯もできちゃうんですよね。香りはつきますけどw
お寿司といえば魚ですが、一般的に「お魚のハーブ」と呼ばれるものに、フェンネルとディルがあります。葉っぱも花も似ています。でもちょっとだけ味がちがうんですよね。ディルはピリッとフェンネルはちょっと甘みがあるんです。お寿司につかうのであれば、マイルドでなおかつ甘みがあるほうがいいかと思い、フェンネルにしました。
フェンネルは世界各国でよく使われているハーブのひとつで、種はカレーやパンやお菓子などに、葉っぱや花はサラダやマリネなどによく使われています。中国では五香粉のひとつに使われています。日本名はウィキョウ。
株が肥大する種類はフローレンスフェンネル。イタリアではフィノッキオとよばれ、株はサラダやポトフなどで使用します。日本ではあまり出回ってません。


さて、フェンネルビネガーの作り方です。
■材料
・生のフェンネルの葉っぱや花、種など 5.6本
・米酢              適量
■作り方
フェンネルの葉は水で洗い、水気をよくふきとる
・きれいに洗って乾燥させたガラス瓶にフェンネルを投入する。
・米酢をフェンネルが完全にかくれるまで入れ、日のあたらないところで2週間おく。
・できあがったら中身をとりだします。冷蔵庫に入れなくても冷暗所で2,3ヶ月くらいはもちます。

ではできあがったら、早速サーモンを使ったお寿司をつくってみましょう。今回簡単に食べれるように手まり寿司タイプにします。
■材料
ご飯          3合
寿司酢
 ・フェンネルビネガー 大匙3
 ・砂糖        大匙2くらい
 ・塩         大匙2くらい
スモークサーモン(またはサーモン) 1パック
フェンネルの葉     少々
■作り方
・寿司酢をあらかじめまぜておく
・たきたてご飯に寿司酢を混ぜ、酢飯を作ります。
・酢飯を丸くまるめてスモークサーモンをまきつける。
・上にフェンネルの葉を散らして終了。


ラップにくるんでおけば、お弁当として持っていっても可能なので、これからの春の行楽などにもっていくと彩りがきれいだと思います。また、おもてなし料理として出す場合は、タマネギのスライスを手まり寿司の上にのっけて、マヨネーズをつけてもおいしいと思います。もしくはフローレンスフェンネルの株部分を薄切りにしてのせるのもいいかも♪
またフェンネルは、フランス料理においてはサーモンとの相性ばっちりといわれていますが、鯛など淡白な白身の魚にはぴったりだと思います。イタリアだと鰯ですがw


フェンネルの薬効は主に種です。種をハーブティーとして飲用しますが、尿、滋養強壮、鎮痛作用があり、腸内のガスの排出を促します。近年では利尿作用と発汗作用があり皮下脂肪中の老廃物を体外に排出するのでダイエットハーブとしても注目されています。また、授乳中に飲むと母乳の分泌を促進します。ハーブティーでうがいをすると、歯周病の予防にもなるそうです。
ただし妊娠中は多量の使用は避けたほうがいいのと、生殖系のガンがある場合は使用禁止なので注意してください。


さて、このハーブ、せっかくだから自家製栽培してみてください。ただ、背丈が1M以上になるので、大きめの鉢(できれば10号以上)がよいと思います。種は春蒔きと秋蒔きがありますが、春なら今蒔いても大丈夫です。耐寒性もあるのでそれほど神経質になる必要もありません。自分で育てて料理に使い、収穫した種はなにものにも変えがたいものになりますよ♪
また今回はお寿司が作りたかったのでフェンネルでしたが、普通の料理に使うローズマリーオレガノ、タイムなどでもハーブビネガーは作れますので、用途にあわせて作ってみてはいかがでしょうか?