リブ・ラブ・サプリ〜SEASON

「冬の黒海を渡るイエローサブマリンすうぷ(黒ごまポタージュ・オムレツ添え)」by id:TomCat


元ネタは渋谷「すうぷ屋」さんの「紅海を走るイエローサブマリン」ですが、赤いポタージュを黒いポタージュに変えて、なおかつ冬向きあったかバージョンにしたのが、この「冬の黒海を渡るイエローサブマリンすうぷ」です。


では材料です(4人分)。


* スープ用
o サツマイモ 中2本
o 黒胡麻(煎り胡麻) 30g
o バター 大さじ2(スープ用)
o 水 3カップ
o チキンコンソメ キューブ2個
o 塩 小さじ1/2
o 生クリーム 大さじ2
o 仕上げに散らす浮き実の黒胡麻 少々


* オムレツ用
o 卵 4個
o 牛乳 適宜
o 塩・コショウ 適宜
o サラダオイル 適宜
o バター 適宜


では作り方です。


まず、サツマイモ1本は丸のまま蒸かします。皮は後で剥きますから、皮付きのままでOKです。例によって糖化酵素が十分働くよう、弱い蒸気で30分ほどゆっくり温め、仕上げに火を強くして強い蒸気で蒸し上げてください。竹串がスッと通れば蒸し上がりです。


もう1本のサツマイモは皮付きのまま1cmのサイの目切り。ちょっと水に晒してからザルに上げてください。


鍋にバターを溶かして、サイの目切りにした方のサツマイモを炒めます。火が通ったら用意した水3カップのうちの2カップを注ぎ、コンソメキューブを加えて弱火で煮込みます。なぜ最初から全部の水を加えないかというと、具となるサツマイモに濃く味を染み込ませるため。サツマイモは煮すぎると煮崩れますから、こんなやり方で味の染み込みを図るのです。


並行して蒸かしたサツマイモの皮を剥き、裏ごしします。


胡麻30gをすり鉢ですり、そこにサツマイモの裏ごしを合わせ、滑らかに摺り合わせて鍋に加えます。空になったすり鉢に残っていた水1カップを注ぎ、すり鉢の目に入り込んでいる分をよく溶かし出して、それも鍋に加えます。こういう無駄を出さない一手間が、食材への愛ですね。


弱火でしばらく煮込みつつ、十分に滑らかでふっくらとしたポタージュになってきたら、ここでプレーンオムレツを焼きに掛かります。卵は1人1個分。焼き方の手順やコツは、こんな動画を見てください。
http://www.youtube.com/watch?v=sLf4uvhELuA
オムレツ作りのコツは、
1. 卵は焼く直前に割ること。割ってから時間が経つと水っぽくなって扱いにくくなります。
2. 卵はほぐしすぎないようにすること。ほぐしすぎてもコシが無くなって扱いにくくなります。
3. ほぐす時は泡を作らないように気を付けること。菜箸の先を容器の底から浮かさないようにしながら溶きほぐしていきます。泡立ててしまうと、焼き上がりのふっくら感が損なわれます。
4. 焼く時の火は強火。固焼きになるのを恐れて弱火でやろうとすると、時間がかかってかえって半熟トロ〜リ状態の好機を逃します。


ポタージュの方は味を見て塩で味を調えて出来上がり。オムレツを人数分手早く焼き上げたらそれぞれスープ皿の中心に盛り付け、オムレツの周りから仕上がったポタージュを注ぎます。オムレツの上からかけてしまわず、必ず周りから。このイエローサブマリンは現在浮上して航行中なのです。


最後に軽く泡立てた生クリームをオムレツの周りにスプーンで注ぎ流し、航行中の船体の周りに出来る波を表現し、浮き実の黒胡麻を適宜散らして完成です。付け合わせはカリッと焼いたフランスパンと、ほっかり茹でた温野菜でどうぞ。


栄養豊富なサツマイモは、将来人間が宇宙に長期間滞在するようになった時の自給用栽培作物として、アメリカ航空宇宙局NASA)も注目している食べ物です。これに滋養豊富な黒胡麻を加え、卵のイエローサブマリンを泳がせたこのポタージュは、きっと冬の食卓を温かく彩ってくれるでしょう。