リブ・ラブ・サプリ〜SEASON

「春を思わせるあったか日だまりで花のお茶を楽しむ」by id:MINT


本当の春がやってくると、風に乗って花の香りが漂ってきますよね。そろそろ梅の時期ではありますが、うちの周りで強く香りを放って咲き誇るのは、まだちょっと先のようです。そんな季節に春の香りを先取りする花のお茶はいかがでしょうか。


たとえばエルダー。西洋ニワトコの花を干した物です。やさしい味が冬の日だまりにぴったりです。香りはマスカットのような甘い香り。甘みを付けるなら、お砂糖もいいですが、蜂蜜もお勧めです(特に風邪っぽい時などに)。
ちなみにイギリスではこれにペパーミントとヤロー(セイヨウノコギリソウ)をブレンドしたお茶が、風邪の引きかけの定番なんだそうですよ。ミントの湯気を吸い込むと、詰まった鼻もすっきりです。
風邪の時はエルダー+ショウガもお勧めです。普通にいれたエルダーのお茶に、生のショウガのスライスを1〜2枚。体が温まります。こんないい日和にはお外に出たいけど風邪気味だからなぁ、なんてうらめしく外を眺める日向ぼっこにはエルダー+ショウガをぜひどうぞ。


エルダーにはコーディアルもあります。コーディアルとは滋養に富む飲み物の意味らしいですが、イギリスでは一般に水で薄めて飲む甘いシロップ状の物をさします。エルダーのコーディアルも西洋ニワトコの花シロップですね。これを普通にいれた紅茶にお砂糖の代わりに加えると、すてきなエルダー風味のフレバリーティー。紅茶8に対してコーディアルエルダー1くらいの割合がいいかなと思います。茶葉には香りの主張が穏やかなセイロンなどを使ってください。


あ、そうそう。エルダーはイエで栽培することもできますが、エルダーの花の精はとても気むずかしいので、花を摘む時には「エルダー、あなたのすてきなお花をちょっと分けてくださいね」とお願いしないといけないという伝説があるそうです。花の精の怒りを買うと、おいしいお茶になりません。


続いてお勧めなのはカモミールです。カモミールには代表的な種類としてジャーマンとローマンがありますが、花のお茶として使われるのは主にジャーマンカモミール。花を摘んで乾燥させたのがカモミールのお茶です。カモミールもイエで栽培できますから、花が咲いたらそれを摘んで乾燥させておくと、手作りハーブティーが楽しめます。
ローマンの花も使えますが、苦味があるので、ハーブティーにするならハチミツなどを加えて飲むといいと思います。
カモミールの花はパイナップルミントの葉と相性がいいので、もしあったらちょっとブレンドするとこれまたおいしいお茶になります。パイナップルミントは冬もよく葉を茂らせてくれますから、育てている人はちょっとお庭やベランダから失敬してくるといいですね。


こんなのが私の冬にお勧めの花のお茶です。ほかにも色々な花のお茶がありますから、気分に応じて選んでいれれば、暖かな日だまりで一足早い花の香りが楽しめます。
なお、ハーブティーは、必ずティーポットの蓋をしていれてくださいね。ティーバッグになっている物も直接カップで作らず、面倒でも蓋を閉めたティーポットの中で抽出していくようにすると、ぐっと香りが引き立つと思います。