イエ・ルポ 2

「大量のレコードにうずもれたイエ、でも専用収納棟の秘策あり!」
by id:momokuri3


以前も何度か書いたことがありますが、〈我が家の幸せコレクション〉は、父と私のレコードライブラリです。ここでいう「レコード」とは、音楽その他の音声を記録した媒体全般のこと。アナログレコードもCDもオーディオテープも全て含みます。一部、ビデオテープやDVD、Blu-rayなどの映像記録媒体も含んでいます。私たち親子の目標は、レコードによって文化を収集していくこと。ですから、個人的な趣味に合う合わないは別問題にして、入手可能な物は手当たり次第まず集めておくことをにしています。


もちろんここでいう「入手可能」は予算の問題を含みますから、新たにリリースされる商品を片っ端から買い集めることは出来ません。そんなことをしたらジャンボ宝くじの一等が当たったとしても、あっという間に破産でしょう。そこで、購入対象の優先順位は決めています。


まず優先順位第一位はロックを中心としたポピュラー音楽(ここでは便宜的にクラシックと日本の歌謡曲を除いた音楽ということにしておきます)のアナログレコード。これは見つけたら即購入です。CDで再リリースされている物は若干後回しになりますが、一度の出会いを逃せばもうめったに出会えないことが多いですから、極力見つけ次第購入することにしています。同じマスターテープから起こされた物でもCD化にあたってはリマスタリングが施されて音が変わりますし、ジャケットやライナーなども文化の収集という面では大切な要素ですが、それらもCD化にあたって完全に復刻されることは少ないですから、やはりアナログレコードとCDとは別物です。


優先順位第二位は、同じくロックを中心としたポピュラー音楽で、廃盤になって相当の期間が経過しているCD。


第三位はジャンルを限らず、メディアの稀少さから保存しておきたい物全般。たとえばソノシートなどがこれにあたります。ソノシートとはペラペラのビニール円盤にプレスしたアナログレコードのことで、形状が薄く安価に作れるので、昔はこれを絵本などにセットした「音の出る本」がたくさんリリースされていたのです。
ソノシートの日本最大手は2007年に廃業してしまった朝日ソノラマという会社。その他の版元も今は存在しない会社が多いので、昔のソノシート本が今後CDブックなどになって再リリースされる可能性はほとんどないと言っていいでしょう。ですからこれは見つけたら貴重品です。たとえバラバラになった本をセロテープで貼り付けていて、そのセロテープも劣化してバリバリというような状態でも、収集対象にしています。


とにかくこんな具合で収集対象を絞っていても、集めに集めた物がぎっしりと棚に詰まって、すでに1部屋を完全占領。2部屋目の陥落も時間の問題です。コレクションはまだまだ増える予定。そこでレコードライブラリ専用の家を一棟用意するという夢を、半ば本気で考えています。
場所は日本国内ならどこでも構いません。探してみると、過疎地なら60坪も土地が付いて40〜50万といった中古物件も見つかります。直前まで人が住んでいた家ならリフォームしなくてもライブラリの保管には十分。ゆくゆくは隣接した家も買い取って、都会を脱出して田舎暮らしもいいじゃないかという構想です。いつか「レコードライブラリの村」なんて作れたら楽しいと夢見ています。
いえ、資金的には今でも十分可能です。田舎暮らしはすぐには無理でも、コレクションの引っ越しは、近々実行に移せるかもしれません。今はそのためのライブラリの目録(データベース)の作成と、それに対応した音源のデジタル化を進めています。コレクションの閲覧と日常の試聴は、PCでデータベースを検索し、デジタルデータにエンコードされた物で行う。原盤は別に保管、という形です。


これからの時代は脱都市一極集中。人も、コレクションも、地方への進出を考えていい時代だと思います。狭い都会暮らしで収納しきれなくなったコレクションはどんどん地方へ。そのために活用出来る格安物件の斡旋で村おこし。将来のIターン希望者も確保できて一石二鳥、なんていう地方活性策はどうでしょうか。
私ももしかしたら数年後には、人間も引っ越しました、山あいの村から緑のサプリをお届けします、なんていう書き込みが出来るようになるかもしれません。