「印」「金物」「日本の伝統色」+「縁起物」

#045テーマ

」「金物」「日本の伝統色」+「縁起物


“リブ・ラブ・サプリ〜FORTUNE”フレーズ
「日本の季節の〈合色目〉を小さなファブリックに」by ハザマ


“メッセージ”
着物を通して、日本の伝統色に「合色目」という色の組み合わせがあると知ったのは去年のこと。ある時、私が友人との食事会で葡萄色地の着物を着ていて、その裏の八掛の色が濃い空色だったのを、「これってすごい色の組み合わせじゃない?」って言ったんですね。すると着物の先輩でもある友達が、「斬新に見えるけど、えび色にははなだ色なのよ」と教えてくれたのがはじめでした。


日本の伝統色は、主に四季の植物の色から生まれていて、草・木・根・樹皮などを染料とした、服飾の染め色として育まれたんですね。そのなかで考え出されたのが、着物の配色を季節の草木花の名前に託して楽しむ「色目」です。表地と裏地の組み合わせは「合色目(あわせいろめ)」、十二単衣のように重ねて組み合わせるのは「重色目(かさねいろめ)」、縦糸と横糸の配色は「織色目(おりのいろめ)」。


手元にある歳時記の本に載っていた、表と裏の「合色目」をはじめて見た時、その組み合わせの何といきいきと目新しく映ったことでしょう。春、夏、秋、冬と、それぞれにたくさんの色目があり、その由来と名前は一つひとつが香りたつ風情にあふれています。


たとえば春…
「白梅」表が白、裏の薄紅色が透けて見えるは春らしい配色。
「壷菫」表が紫、裏が薄緑。野辺に咲く可憐な菫の花と葉の色。
たとえば夏…
「若楓」表が薄緑、裏が薄紅。新緑の葉の色を想う合色。
「卯花」表が白、裏が萌黄色。夏の卯の花と葉の配色。
たとえば秋…
「黄紅葉」表が黄色、裏が蘇芳。黄色から紅葉するもみじの色。
「萩重」表が紫、裏が薄紫。萩の花が重なり合って咲くさまを表現。
たとえば冬…
「移菊」表が中紫、裏が緑。残菊の色の侘しさを表現。
「椿」表が蘇芳、裏が紅。寒椿の花びらの色。


こんな配色を知って、着物がますます面白くなったのですが、この「合色目」をイエのファブリックで楽しめないかと考えています。
季節によって2枚のカーテンやカーテンの裏表に配色出来たら素敵でしょうけれど、ちょっと大変そうなので、まずは手作りの布コースターやランチョンマットから。おもてなし用のテーブルセンターも洒落ているかも。コットンや麻の色無地生地を合わせて季節ごとに作って、名前を付けて。


いろんな「合色目」とともに、実に465色もあるという日本の伝統色も年々に覚えていくと、四季の自然と色の感覚がうんと幅広くなるのではないでしょうか? イエの中も、もっともっと季節の色彩豊かになるといいですよね!


(参考文献)
『暮らしの歳時記』(講談社)より「季節の色目」

(参考ウェブサイト)
「日本の伝統色 和色大辞典」
http://www.colordic.org/w/
「日本の伝統色名の由来」
http://www2s.biglobe.ne.jp/~sakamaki/yurai.html
「平安衣装 襲色目 源氏物語 千年の色 生地見本帳」
http://www.tera-mura.co.jp/genji.htm


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