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「着物に願いを込めて装う江戸小紋by id:TinkerBell


なんと江戸小紋には「家内安全小紋」なんていうのがあったりします。
小紋とは、文字通り、ちっちゃなちっちゃな模様です。
遠目には模様なんてわかりません。
でも昔の人々はそんな小さな模様に、いろいろな意味を図案化して込めていったんです。


小紋の元祖は武士の裃(かみしも)。
裃には各藩の「定め小紋」という模様が染められていました。
たとえば徳川将軍家なら「御召十(おめしじゅう)」、
紀州徳川家なら「極鮫(ごくさめ)」、
加賀の前田家なら「菊菱」といった独特の模様です。
http://kimonofukushima.com/shop/2008/01/post-589.html


最初は武士の装束に使われていた小紋は江戸時代中ごろから庶民の間にもはやりはじめ、
梅や桜や千鳥などの自然の生き物や、扇などを図案化した江戸小紋が盛んに染められるようになりました。
さらに「宝づくし」「長寿亀」「鯛と小槌」なんていう、めでたさを表したり、縁起をかついだりした模様も生まれました。


その中に、なんと家内安全小紋もあるんですよ。こういうのです。
http://www.uchidanokimono.co.jp/colum_jpg/20080510.jpg
http://www.uchidanokimono.co.jp/200805.html
これは何を図案化したものだと思いますか?
よーく見るとわかります。それは……文字!!
この模様を文字だと思って見つめていると、ほら、だんだん「家内安全」と読めてきませんか?
これってすごい傑作ですね。いったい誰がこんな図案を考えたんでしょう。


母がこの家内安全小紋の着物を持っています。
何の模様に見える?とクイズを出されて、最初はぜんぜんわかりませんでした。
小紋はしっとりと落ち着いた、大人の柄です。
家がしっかり守れる本当の意味での大人になれた時、この小紋も似合うようになるのかなと思います。
着物に家内安全の願いを込めて装う江戸の粋、すてきですね。