「4月1日 今のところ生涯ただ一度の骨折をした日」by id:Fuel


まだ春休みでした。私は自転車に乗っていました。友だちの顔が見えたので、おーいと手を振った時、タイヤが段差に乗り上げました。そのまま転倒。倒れ方が悪かったんですね。瞬間、肩に激痛が走りました。
私はその時、真っ青な顔をしていたそうです。そのくらい痛かったんですね。慌てて駆け寄ってくれた友だちが、おい、嘘だろう、エイプリルフールだよな?と言っていたのをおぼえています。
見知らぬ大人も駆け付けてくれて、救急車を呼ぼうかなどと言ってくれていたようでしたが、まさかそんなおおごとだとは思いませんから、必死でいいです平気ですと断りました。
友だちが私の家に知らせに走ってくれて、すぐ母がやってきました。そのまま病院へ。鎖骨骨折でした。上半身をほぼ覆ってしまうような仰々しいギプスを付けさせられ、すごい重症者みたいです。何か夢を見ているみたいで、私も心の中で、これってエイプリルフールか?などと思ってしまいました。
翌日からが色々とまた大変でした。風呂にも自由に入れませんし、ギプスが邪魔で寝ることもできません。仕方なく、夜は布団をリクライニングシート状にして、ちょっと体を起こして休みました。熟睡できません。
それからおよそ3週間ギプスは続きました。ギプスが取れてもまだ襷のようなバンドで固定されましたが、子供は新しい骨が出来るのが早いそうで、約一ヶ月で全治しました。大人だともっと時間がかかることもあるんだよと、病院の先生が言っていました。
この経験は、今になって思うと、得難い経験だったと思います。この最中、どれほど家族や友の力添えがありがたかったか。また、やりたいことが出来ないもどかしさ、悔しさなども、身に染みて体験できたからです。
障害という言葉はあまり使いたくありませんが、人はいつ事故や病気で障害を負うかわかりません。たとえ障害があっても幸せに暮らせる社会作り。そういう努力をしていかないといずれ困るのは自分だと、子供心にそんなことを思いました。


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