「鳥」「占い」「屋根・屋根裏」+「縁起物」

#032テーマ

」「占い」「屋根・屋根裏」+「縁起物


“リブ・ラブ・サプリ〜FORTUNE”フレーズ
「農家の土蔵の屋根に〈水〉の文字、イエには何の文字?」by ハザマ


“メッセージ”
今も田舎のマチへ行くと、古い蔵の屋根のてっぺん近くの妻壁に〈水〉という文字が書かれているのが見られます。私は幼少から親戚のイエやお墓参りに行く時、車からあちらこちらに見えるその文字をめずらしく不思議に思って眺めたものです。
後に、それが「火災除け」のおまじないであることを知り、なるほど、火がきらう〈水〉の文字に蔵を守ってもらう意味だったのかと合点しました。


このおまじないの文字、イエの屋根に書くものだと思っていたら、実は江戸の昔から農家の土蔵に書かれたんだそうです。屋根の高い蔵のてっぺんですから、どおりでよく目立って見えたわけです。かつて農耕が中心だった日本の暮らしの中では、貴重な穀物を貯蔵する土蔵は何をおいても守らなければならない場所だったのでしょう。


さらにこのおまじないには、由来があることを今度はじめて知りました。元々、古くから神社仏閣の屋根に取り付けた「懸魚(げぎょ)」という妻飾りが「火伏せ」のおまじないだったんですって。神社や寺院の屋根の鬼瓦がある辺り、破風板に吊り下げてある木彫りの魚。今でも建物が切妻屋根か入母屋造りの屋根であれば必ずついているそうです。しかし建物の横の方へ廻り込まなければ見えない場所にあるため、よく見ないと気づかないんだとか。火に弱い木造寺院を火災から守るために、水に縁のある魚の飾りを屋根にかけて火伏せのおまじないにしたんですね。
それにならいながらも、江戸の庶民には「懸魚」をかけることが許されておらず、代りに〈水〉の文字を描くようになった。それが今でも農家に受け継がれているんですね。近頃では、やはり民家の母屋にもこのおまじないが見られるところがあるそうです。


そういえば、TVで観た白洲次郎の「武相荘」の蔵にもあったなと思ってDVDを見直してみると、茅葺屋根のてっぺんに〈水〉の文字が刈り込んでありました。そして反対側には、〈寿〉の文字が。こちらは白洲次郎が考えたものなんだそうで、さすが自邸に洒落た名前をつける人ですから、もうひとつ自分なりのおまじないを加えたのでしょう。それがよくある禍除けではなく、幸や祝いを呼び込む意味のものであるところも、その人らしいではありませんか。


こんなことを紐解きながら、もし私がイエを持ったら、どんな文字をかけるだろうと考えをめぐらせました。あれもこれも浮かんできてひとつに決められないのですが(笑)。穀物を持つ農家ではないけれど、家族のイエの大事なことに変わりはありません。あなたならどんな一文字に願いを託しますか? イエの屋根に文字のおまじない、あるいは玄関にでもいいかも知れない、これもひとつフォーチュン・サプリにならないかと思っているのですが、いかがでしょう?


(「懸魚」の由来はこちらをご参照下さい。
http://www3.ocn.ne.jp/~toto/whats_main.html


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