「クリスマスのイルミネーションをご近所と一緒に計画」by id:Oregano


マイホームを持つと必ずやってみたくなる幸せのカタチの一つが、クリスマスのイルミネーションだと思います。一度始めるとのめりこんで、年々派手に、華美になっていく傾向がありますね。うちの通りは特に派手なお宅が複数あって、わが家をはじめとする、ちょっと遠慮してます派との落差が目立っていました。
そんな時、思いっきり派手派の横綱クラスの方と話をする機会があり、クリスマスの飾り付けはお嫌いですかと聞かれたので、毎年うちでも飾ってみようかと思うのだけど、あまりに皆さんリキ入りまくりなので、気後れしてしまって参入する機会を失っているんですよとお答えしました。するとその方は、やはりご近所の皆さんとのバランスが大切ですねと言ってくれました。
私はさらに、今は少しでもCO2を減らしたい時ですから、イルミネーションに余計な電気を使うことにも、ちょっとためらいがあるんですと付け加えました。そして、どうせならこの通り全体が統一感ある飾り付けになるようにみんなで企画し、各家庭で消費する電気の量も計算して、通り全体で日頃の省エネに努めて、その成果でCO2排出量が帳消しになるような取り組みにできたらいいと思いますと提案すると、その方はおおいに賛成してくれました。
そこで機会を見て私から、うちと同じちょっと遠慮してます派のお宅にこの話を持って行ってみると、一軒ではやる気はないが、通り全体をライトアップするのは大賛成とのこと。最初に話を交わしたご近所さんも派手派のお宅を回って通り全体を統一感をもって飾りましょうと提案してくれて、こういうのはご近所の手前本当は嫌なのにそう言えないという状況を作ってしまうことが一番懸念されますが、そういうこと無しに、みごと各家の自主的な意志がまとまりました。
いよいよクリスマスシーズンが近付き、こんなふうに飾ろうという案のイラストができて、各家庭それに沿った飾り付けをすることになりました。イルミネーションの手持ちが多いお宅はそうでない家に貸し出すなどして融通し合って、ほんの短い距離ですが、光の道ができあがりました。全体の消費電力を計算して、参加家庭共同して一年間かけてその分を省エネする計画も立てました。ついでに、どこのご家庭もこの光の道を眺めたくてつい家の外に出てきてしまうので、どうせならその足で町内を巡回して防犯防火に役立てようという意見が出て、毎日ではありませんが、無理のない程度に実施しました。
こういう活動は、場合によってはかなりハイリスクだと思います。ご近所同士の共同協力という麗しい提案も度を超すと無理なしめつけになり、それがきっかけで修復不能な溝ができてしまうことにもなりかねません。こんなにうまくことが運んだのは、クリスマスの奇跡だったと言えるかもしれません。これからもできれば毎年この光の道を作っていきたいと思いますが、そのためにも、お互いを思いやる、押しつけがましさのない控えめなご近所付き合いが大切だと思っています。


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