★★★(三ツ星)

「ペール缶で薫製機作り」by id:YuzuPON


製作にあたって参考にしたのはこのサイトです。
http://www.jjt.jp/ittokan.html
図では四角い一斗缶を使っていますが、私はちょうどこんな感じのバケツ型のペール缶を使いました。
【ペール缶の例】http://item.rakuten.co.jp/ggshop/nc-50-nc51-20l/
まず蓋を開けます。蓋の爪が本体にガッチリ食い込んではまっていますので、大型のマイナスドライバーとハンマーを使いながら、慎重にこじ開けていきます。丁寧に作業しても、ハンマーでドライバーを打ち込むごとにガンガンとすごい音がいますので、必ず昼間作業してください。ご近所さんと目が合ったら、お騒がせしていますのご挨拶も忘れずに。
うまく蓋が取れたら、縁の爪をハンマーで叩いて広げて、鍋ぶたのようにカパッとかぶせられる蓋にします。
続いて缶と蓋の洗浄です。よく洗って完全にオイルを流し、臭いが残らないようにします。石鹸で洗えばオイル分はきれいになりますが、なぜか臭いが残ります。強い日差しの下で一日か二日天日にさらして臭いが消えるのを待ちましょう。
それでも石油臭さが取れないようなら、まず図に従って缶の下の方に穴を開けてしまいましょう。ペール缶は頑丈なので金工用ドリルを使って開けてください。曲面にドリルの刃を当てることになりますので、刃が滑らないよう、きちんとガイドのポンチで凹みをつけてから刃を当てる必要があります。二度手間になりますが、こういう刃が滑りやすい部分に穴開けする時は、まず3〜4mm位の細いドリルで穴を開け、その穴をガイドに太いドリルを使っていくようにすると失敗がありません。
穴開けが終わったら安全のためにめくれ返ったバリを取り、ペール缶を庭に持ち出して、紙くずを突っ込んで火を付けます。これで石油臭さは完全に消えるはずです。紙屑は火の粉が飛びますので、火の取り扱いには十分注意して行ってください。他のツリーでも言及されていますが、乾燥注意報発令中は屋外での裸火使用厳禁という「自分規則」を作って厳守してください。火を使う作業は気象情報にも注意を払っていくことが大切です。
ここまでできたら、あとは図の説明通りに作れば、いい薫製機が完成します。私はさらに缶の半分くらいの位置に焼き網を取り付けました。食材の落下防止用です。また、食材から大量の汁が垂れて困る場合は、この網にアルミのお皿などを置いて汁受けにすることも可能です。
さらに蓋に小穴を開けて、天ぷら用温度計を差し込めるようにしてみました。初心者ですから、目で見て温度がわかるようにしたかったのです。これはなかなか成功だったと思います。
熱源には、ガスボンベが下にあるタイプのキャンプ用コンロが適しています。室内用のカセットコンロなどは不適です。もちろん七輪などでもいいですね。七輪は火力の調節が難しいですが、私はそのために温度計を付けたような物ですので、七輪を熱源にした薫製作りにチャレンジしています。
薫製には、冷薫、温薫、熱薫の三種類があり、この薫製機は主に温薫に対応します。温薫は摂氏30度〜80度くらいの範囲で数時間におよびいぶしていく方法です。最初は低い温度で行い、次第に温度を上げて、出来上がり時にはアツアツに持っていくのが基本的な作り方だと思います。冷薫と違って長期保存に向く薫製は作れませんが、ジューシーなおいしい薫製が楽しめます。


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★★★ ミシュランコメント

リメイク工作で何と燻製機が作れるのですね! 実例を参考にされながら、もとよりの燻製の知識を活かしつつ、使い勝手よくさまざまに工夫された実作ルポに感動しました。注意事項も含めてここまでご紹介下さったら、はじめてでもチャレンジ心が動かされます。これは大人はもちろん、子供たちと一緒に作って燻製も味わえる、ゴールデンウィークや夏休みなど最高の家族イベントになりますね! 「工作」「科学」「料理」の3つを学び楽しめる…なんて素晴らしいリメイクアイデア。そこに注がれた研究心への尊敬もこめて、★★★を贈呈します!