イエ・ルポ 2

「奈良町、町屋のたたずまい」by id:iijiman


学生の頃、奈良に住んでいました。1980年代終わり頃。
奈良といっても広いですが、奈良市の旧市街「奈良町」に特に惹かれました。
低い屋根の町屋。虫篭窓(むしこまど)。
江戸時代からこの町の人々の間に広まったという「庚申信仰」(庚申さん)。軒先に下がる「身代わり猿」。
古くからのたたずまいが、新興住宅地生まれの私の目には新鮮に映りました。
今は中止されているようですが、庚申まつりの日に街頭でコンニャクをご馳走になったこともありました。
(なぜ庚申まつりの日にコンニャクを食べるかについては、こちらのURLが参考になります。
 http://www.naramachi.org/what/migawari.html )
奈良町から少し離れたところにある「今西家書院」もお勧め。重要文化財の古い家から眺める日本庭園は、私たちを、とても落ち着いた気持ちにしてくれます。
私が奈良町を知った時期は、ちょうど、奈良町にとっても転換期だったようです。
それまでボロボロのまま放置されていた土蔵が綺麗に修復されたり、舗道が茶色になって町並みとの調和が図られました。
また、立ち寄る観光スポットも「奈良町資料館」くらいしかなかったと記憶していますが、今は色々増えたようです。
奈良にいらっしゃる方は、是非「奈良町探索」をお試しください。
「鹿と大仏しかない」と思っていた奈良の、奥深い味わいが楽しめます。
【参考URL】
奈良市観光情報センター「ならまち」http://narashikanko.jp/j/naramachi/
奈良町資料館 http://www.naramachi.org/index.html
奈良県観光連盟「奈良の街あるき〜奈良町〜」http://www.nara-kankou.or.jp/campaign/2005summer/mati2005_s.html
重要文化財 今西家書院 http://www.harushika.com/imanishike-shoin/index.php


奈良でもう1つ、忘れがたい町並みがあったのを思い出しました。
奈良県橿原市の「今井町」。
http://www.nara-kankou.or.jp/campaign/2005winter/mati2005_w.htm
http://goryo12.hp.infoseek.co.jp/imai0.html
近鉄八木駅から歩いて10分。その一角に入ると、江戸時代にタイムスリップしたかのような錯覚に。
東西600m、南北310mの範囲に、伝統的なたたずまいを守る町屋が軒を連ねています。
今井町重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
ユニークなのは、その集落の中にある銀行。南都銀行畝傍支店。
ちゃんと現代の銀行としての機能を備え、ATMなんかも設置されている訳ですが、周囲の雰囲気を壊さないように配慮した外観となっていて、一見すると、町屋風。中が銀行でびっくりという感じでした。
古い建物や町並みの維持はとても大変と聞きますが、私たちの記憶を確かなものにしてくれる歴史的な町並みは、いつまでも大切に守り続けていかれることを希望します。