「時々楽器の音が聞こえてくる河川敷」by id:Fuel


橋の手前から遊歩道に入り、それを歩ききると、再び河川敷に出ます。橋の手前はガチガチに護岸工事が施された人工的な川岸で、人が入れるような場所ではありません。しかし遊歩道の先は少し自然の河原が残っていて、柵もないので人が入れます。
そこが音楽好きの、ちょっとした練習スポットになっているんです。日によって違う人が来ます。この前の週末に行った時にはサックスを吹いている人がいました。なかなかうまい人で、ジャズっぽい物を吹いていました。その前はきっと学校のブラバンの人でしょう。トロンボーンを吹いている人がいました。こちらは音程を取るのに一生懸命な様子です。たまにフルートを吹いている人がいます。これはとても美しい音色です。聞いていると癒されます。
吹いている音楽を聞く限り、皆さんそれぞれ活躍の場は異なっていると思います。かち合って場所取り合戦にならないのかなと心配になってしまいますが、そういうことはないようです。暗黙の了解でうまく順番を分け合っているのかもしれません。
私は迷惑にならないように、いつも河川敷には足を踏み入れず、遊歩道の脇に置かれたベンチに座ってその音楽を聞いています。だからどんな人が演奏しているのかを見たことはありません。
でも夕暮れの河川敷のすてきな風景に音楽が溶け合って、とてもいい雰囲気です。一人だけまだちょっと音楽になりきっていませんが、春から比べると格段に上手になってきたのが素人の私にもわかります。この河原での熱心な練習の成果でしょう。そんな学生時代の甘酸っぱさも感じさせてくれる河川敷が私は好きです。


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