「昔はよく親が勝手に〈記念日〉を宣言していました」by id:shimarakkyo


とにかく記念日の多い家に住んでいました。土、日に家でのんびりしているとよく父が、


「よし!今日は天気がいいからいいお天気記念日だ!」とかから始まって、
「お前ら、今日はウチのひいおじいちゃんがハレー彗星を発見した日だぞ!知らないのか?」とか(ないない)、
「今日はこの家が完成した落成記念日じゃないか!」とか(何代も前に建てられているのに何故知っている?)、
「そう言えば今日は我が家に初代タロー(飼い犬)が来た日だった!お祝いしなきゃ!」とか
「おい!今日はお父さんとお母さんの初デート記念日だ!祝うぞ!付き合え!」とか(隣でお母さんが「え?まじ?!」って顔をしているのに?)


など、かなり適当な理由をでっちあげて強引に「記念日」を設定してはお祝いをしていました。


ノリのいい家族だったので「まあそう言う事なら」と父の「創作」した記念日に乗っかって、ハレー彗星発見記念日なら天体望遠鏡を買って(ええ、買ったんです。買いに行ったんです。それだけのために)夜中にお弁当を持って星を観に言ったり(でも家族全員星の知識ゼロで、本を見ながら「え?これがおおぐま座?」「いや多分ちがう」)、家に感謝をするためにいきなり大掃除を始めたり(もう神棚の銀器磨きから何から何まで)、4代目タロー(我が家で飼う犬は何故か代々「タロー」か「タロ子」)にいきなり豪勢なご飯をあげたり(タロー、訳も分からず大喜び)していました。


「初デート記念日」は特に記憶に残っています。父が「初デートの内容」を再現してくれました。恐らく全部でっち上げですけど、「初デート」で踊った音楽をかけ、「初デート」で食べた料理を再現し(料理は父の趣味)、「初デート」で観た映画(無難に「サウンド・オブ・ミュージック」でした)を借りてきてプロジェクター使って家族で見たり。


とにかく無駄に豪勢な事をしていました。そして当然、1年経つ頃にはそんな記念日はすっかり忘れているので、2度とは繰り返しません。去年は冬だった記念日が、今年は夏になったりもします(笑。


それでもたまに、例えば獅子座流星群のニュースを見たりすると「ああ、そういえば「伊勢エビ座流星群発見」記念って、やったなー」と、懐かしく思い出します。あれだけの「記念日」よく思いついたものだと感心しますし、それを毎回あそこまで真剣に祝った両親のバイタリティ(暇人とも言う)にも恐れ入ります。お陰で、思い出話には事欠きません。


笑ったのが、一度、ネタに詰まったのか「shimarakkyoが産まれた記念」と言い出した事。
お父さん、それは「誕生日」と言って既に日が決まっています。そして私の誕生日は5月ではありません。


。。。でもやっぱり祝いました(笑。


»このいわしのツリーはコチラから