「はじめて自分で買った本は何?なぜその本だったのですか?」

「初めての本は古書店で」by id:rikuzai


自分のお小遣いで「本」を買ったとはっきり記憶があるのは、
中学生の頃、家から二駅ほど離れたところにある古書店で、
「ミステリ百科事典」というタイトルの文庫でした。


「百科事典」というよりはミステリに関する薀蓄エッセイ集という感じの本ですが、
細かいカテゴリが様々な本を引用しつつまとめられていて、
この本で知って読んだ本が無数にあります。


元々母親が活字中毒で、漫画も小説も雑誌もうなるほどあり、
学校や児童館、公立の図書館にもいりびたっていたので、
自分で買う必要がほとんどなかったのですが、
手元に置いて何度も読み返したり、時間をかけて楽しむことを覚えたのは、
やはり自分で買うようになってからのように思います。


当時の古書店パラフィン紙で表紙を丁寧にくるみ、
古書店独自の値札に金額を書き込んだものを裏表紙の見返しにぺたりと貼っていました。
少し見えにくい本背に目を凝らしながら目的の本や、一目ぼれしそうなタイトルを探して、
気がつくと一時間以上経っていたり。
実家が引越し一家であちこち棲家を転々としていましたが、
不思議とどこに行っても1.2軒、行きつけの古書店がありました。
古書店独特の匂いや静けさなど、あの空間がすきなのだと思います。


最近はブックオフなどのチェーンもできて便利になりましたが、
旧態然とした古書店もまだたくさんあります。
今も大阪の梅田駅近くにSFやミステリに強い古書店があって重宝していたりします。
できればこれからも末永くお付き合いしていきたいなぁと思うのです。


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