「5つの銅貨です」by id:shimarakkyo


ダニーケイやルイアームストロング等、その時代のミュージシャンの豪華オールキャスト(表現古い?)な映画です。ネタバレなしで触りだけ言うと、ダニーケイが演ずる人気バンドマンの娘さんが小児まひにかかってしまい、そこから家族3人が力を合わせて頑張る、お話。私のつたない文章ではこの映画の良さの10分の1も伝わらないと思うのですが、音楽も素晴らしく、ストーリーもシンプルながら普遍的なメッセージを持つ、素直に心を動かされる映画です。


加えて、我が家にとってこれが忘れられない映画なのは、私達の家族も一番下の弟が小児まひだったからです。今は医療も発達しているし、幸いリハビリも功を奏して、弟は立派に社会人をやっていますが、それまでにはやはり家族みんなでした苦労もありましたし、今思うと両親の切なさとか、不安とか、大変さは、当時の幼い私が見えた事の何倍もあったと思います。


登場人物の心の機微がとても素直に、丁寧に描かれている映画なので、それぞれ違う立場にある我々家族は、それぞれ思う所があり(こっぱずかしくてそんな話、家族同士じゃあしちゃいませんが)、それだけに思い入れの深い映画です。両親、特に父親は、いまだにこの映画を見ると最後の頃に静かに泣きます。


って、書いていて思い出しました。仕事を初めてある程度金が貯まった私が両親の誕生日に買ってあげたのはターンテーブルと「5つの銅貨」のサントラLPでした。

5つの銅貨 [VHS]

5つの銅貨 [VHS]

もう何と言ってもラスト。病気で足が不自由になってしまった主人公の娘が、自分の力で立ち上がって、自身もトランぺッターとして復活したお父さんの所に歩いていくシーンです。おぼつかない足取りながらもまっすぐ自分の所に歩いて来る娘を見つめるお父さんの驚きと喜びが混ざり合った表情、それを見つめるお母さんとバンドの仲間たち。もう思い出すだけで泣きそう。。。そして最後に娘とお父さんが交わす台詞がストレートに心に響くんですよ。でもそれは、映画を見て、味わって下さい!


このいわしのツリーはコチラから