「薬(漢方薬)の匂い」by id:Fuel

一時期、母が体調を崩していたことがありました。
顔色が悪く、毎日がとても辛そうでした。
病名ははっきりとせず、原因がよくわからないので病院の薬など効くわけがありません。そのうち母は漢方薬を試すようになっていました。
錠剤になっているようなものではなく、煎じて飲むタイプです。
煎じはじめると、かなりきつい匂いがしました。
いかにも薬臭いというか、何とも言えない変な匂いです。
それを母は毎日のように飲んでいました。
いかにもまずそうでした。
毎日のことですから、部屋の中にもその臭いが染みついているようでした。
そんなことが一年近く続いたと思います。
薬が効いたのか、ほかに何かがあったのかはわかりませんが、
だんだん顔色が良くなってきて、辛そうにしている時も少なくなっていきました。
ある日、いつもの嫌な臭いが全くしなくなっていたのに気が付いて、
体の具合はどうなのと聞いてみると、にっこり笑って、もう全然大丈夫。
あの時は本当にうれしかったです。
今日はそんなことを思い出しながら、母に花束と寄せ植えを贈りました。
寄せ植えはあれこれ迷った結果、結局前回のいわしの全く真似っこの、
ミニバラとワイルドストロベリーを中心にした取り合わせになりました。
これからはこの花の香りが、母親を象徴する香りになってくれそうです。

このいわしのツリーはコチラから