イエコト・ミシュラン

「健康によく長持ちする酢大豆」by id:tough


酢大豆の作り方は非常に簡単です。炒り豆をただお酢に漬けるだけ。容器は適当な広口瓶をよく洗い、煮沸消毒すれば準備完了です。フタは焼酎などで拭いて滅菌してください。瓶の高さ1/3ほど炒り豆を入れ、2/3程度までお酢を注いで、軽くフタをして冷暗所へ。そのうち大豆がお酢を吸ってぶわっと膨らんできますから、もしお酢が減って大豆が顔を出してしまうようなら、お酢を追加してください。瓶一杯に作らないのはこのためです。


炒り豆は、乾燥した状態の大豆をざっと洗い、水気を切ってすぐに適当なフライパンか何かで乾煎りして作ります。火は中火の遠火です。鍋の中でガラガラガラと転がしていると、そのうち豆の皮が敗れてきます。そうしたらそろそろ煎り上がり。火から下ろして粗熱を取り、適当なお皿にでも移して冷ましてください。黒豆が使えると、黒い色素成分アントシアニンの効果も加わってさらにいいですね。


お酢にも黒酢が使えると、とても健康に良さそうですが、普通の米酢でも全く構いません。たまに「何々酢は普通の酢と違いクエン酸が豊富に含まれ健康によい」といった趣旨の宣伝文句を見かけますが、普通のお酢の成分である酢酸も体内に入ればクエン酸に姿を変えますから、立派にいわゆるクエン酸回路を担ってくれるのです。逆にクエン酸もまた体内で酢酸に分解され、代謝に関与したり脂肪酸の合成に使われるなどしていきます。これらの有機酸は必要に応じてその場その場で適した形になりながら働いてくれるのです。ですからとにかく何酢でもいいですから、お酢有機酸を積極的に摂取していくことが大切なんですね。
むしろ黒酢で注目出来る成分はアミノ酸ですが、酢大豆は大豆の豊富なアミノ酸が吸収されやすい形になっていますから、お酢と大豆が一緒に食べられる酢大豆なら、安く手軽にヘルシーなお酢生活が実現出来るというわけです。


漬け込んだ酢大豆は4〜5日すれば食べられるようになります。が1週間くらいは寝かせておいた方がお酢のカドが取れて食べやすくなると思います。保存はかなり長期間可能です。極端な話、お酢が腐っていなければ何年でも、といった感じですが、食べるために作るのですから、日常的に食べてどんどん次を作っていくようにしていくのが理想です。


食べ方ですが、そのまま食べる場合は、食前に5〜10粒ずつというのがお勧めです。食欲が増してきます。食前にお酢を飲むのと同じ効果ですね。そこに大豆の栄養と健康効果が加わります。


胡麻和えを作る時、胡麻をすったすり鉢にさらに酢大豆適量を加えてすり潰してから和えていくのもいい方法です。おひたしの上に丸いままトッピングしてもいいですね。


最後に酢大豆を使ったパワーの付く煮付けをご紹介してみます。
1.まずタマネギ1個をフードプロセッサで粉砕ます。
2.ボウルに豚肉薄切り100gを入れ、粉砕したタマネギを加えて揉み込みます。
3.醤油大さじ1を加えさらによく揉み込んで、30分ほど置いておきます。これで肉に下味が付くとともに、タマネギの成分が酸素と結びついて血液をサラサラにする成分になります。
4.ニンジン、レンコンなど適宜の根菜を適宜の量、食べやすい大きさの輪切りにします。レンコンは切ったら酢水に放っておきます。
5.生姜を一かけ、千切りにします。
6.鍋に
 ・酒 80ml
 ・酢大豆の酢 80ml
 ・味醂 40ml
 ・千切りにした生姜
 ・好みで一味唐辛子少々
 を加えて一煮立ちさせます。
7.まず根菜類を入れ、さらに酢大豆適量(1カップくらい)を加えて、火が通ったら、まぶしたタマネギごと豚肉を加えます。
8.肉に火が通ってきたら醤油大さじ1程度を加えて、煮汁を飛ばしながら炒り煮にしていきます。
9.煮汁が飛んだら器に盛って白髪ネギを散らし、これでアミノ酸スコアに優れたパワーの付く煮付けの完成です。


こんなふうに料理に応用すると、大豆だけでなく、漬けているお酢も無駄にせずに使い切っていけますね。保存が利き、健康によく、料理にも使っていける酢大豆をぜひどうぞ。