実況中継風ルポ!私のとっておきのお散歩コース

#046 お題
実況中継風ルポ!私のとっておきのお散歩コース」を教えて下さい


“ルポ・タイトル”
「幼き日から今も変わらない野の道、山の道」by ハザマ


今も広島の実家に帰省すると、かならず歩く散歩道の話をさせて下さい。小学3年生から住んだイエは、山を切り拓いてつくられた住宅地なのですが、そのままの山や雑木林に囲まれて、四季の匂いが窓から入ってくるところにあります。幼い頃から遊び親しんだ野の道が、今なおまったく変わらない風景で残っている。このことが、年を重ねて今本当にうれしい。


イエを出て少し坂道を登ると、雑木林に沿って降りる山道のような細い階段が伸びています。右の林の中に見えるのは、水道局管轄の広い芝の敷地。足元に気をつけながら歩いていると、そこここの雑草の中に小さな草花が顔をのぞかせています。途中には、秋にススキが揺れる傾斜地。木のさやぎだけが聞こえる静かな小径。ここは普通に生活でも使う道で、私もそうでしたが、道路を通らずにこの小径を通って学校から帰る子の姿が今も見えます。


細く長い階段を降りきると、一旦道路に出て、すぐにまた今度は山を見上げるコンクリートの階段。そこは隣りの住宅地へとつながっていく道ですが、この境の界隈も私たちの遊び場でした。今頃なら階段には落ち葉がいっぱいで、登るごとにサクサクと音をたてるでしょう。また長い階段を登りきると、右にブランコのある小さな森の公園。そして左には林の中へ続く小径。秋にはイチョウと紅葉で一面の落葉のじゅうたんです。
私たちはいつも左の小径をたどって、林の中に秘密基地を作ったり、土曜のお昼にパンを持ってピクニック気分になったりして遊んでいました。懐かしいw 今は枯れ枝を分け入ることにちょっとひるんでしまって途中までしか行けませんが、子供の頃はどんどん行っていたなぁ。かわりに、公園のブランコに乗ってひととき過ごしてきます。


イエの窓から見渡せるほどすぐそばの散歩道。でも、今は遠くなった幼年のまなざしを取り戻しに行く散歩道。いつも変わらずそこにあって、帰るたびに私を懐かしく迎えてくれる特別な場所。もうひとつ大好きだった、町の土曜学校の裏の草原はもうとっくになくなってしまったけれど、この野の道、山の道はずっとずっと残っていて欲しい場所です。


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※今回の「いわし」ご投稿は12月10日(木)正午で終了とさせて頂きます。
※今回のピックアップ賞は12月11日(金)に「イエはてな」にて発表いたします。
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