相手のことを思って真剣に怒ったこと・怒られたこと

#028 お題
相手のことを思って真剣に怒ったこと・怒られたこと」を教えて下さい


“ルポ・タイトル”
「親愛なるA兄貴にもらった一生の言葉」by ハザマ


ルポルタージュ
唐突ですが、私にはある意味、いつ会っても親より恐い人がいます。かれこれ15年近く、私を妹のように思ってくれている年長のご夫妻のA兄。奥さんであるK姉は、若輩が恐縮ながら親友と思ってはばからない気の置けない仲なのですが、A兄はまた別の特別な存在です。私を厳しい目で見守ってくれている恐い兄貴(笑)。今どきめずらしく「その考えは僕は嫌いだ」「君の考えは間違っている、なぜなら…」と、歯に絹きせないでずばりとものを言うこと気持ちよい程の人なのですが…。


知り合って5年くらい経った頃でしょうか、ご夫妻のイエで食事の後にお茶をいただきながら話している時でした。私がその頃の仕事の近況などを話していると、A兄の口調が急に強くなりました。「その、ホントウはっていう言葉はよくないな」。私の「本当はこうしたいんだけど」という話に対して言われたことでした。その頃よく私が口にしていた言葉でした。「ホントウは、っていうのはないのと同じ、ウソと同じで、人間は実際にやっていることと見た目がすべてなんだよ。思っていてもしていない言い訳じゃないか。こう思うからやっている、こう作りたいから作った、この洋服が好きだから着ている、何にしても言い訳なしにちゃんとやっていかないと自分の輪郭がぼやけてウソになるんだ」。私はこう言われて、目がさめるような思いでした。それまで、誰からも言われたことのない言葉でした。聞いていたK姉が「そうしていこうと思っているだけでもエライじゃないの、ねぇ」と言ってくれても、「思っていることは今やらないとダメだ。今やらないといつまでもやらないよ」と。「それに人はね、ホントウはこうしたいんだろうなぁなんて思って見てくれやしないよ。たとえば君、白い服を着て、ワタシはホントウは青い服が好きなんですって言って歩くの?」。


いつも対等に真剣に話をしてくれるA兄ですが、この時怒られ諭された話は、以来かたときも忘れることがない程に心に刻まれています。「人間は実際にやっていることと見た目がすべて」。言い訳をしない生き方をすること、自分の輪郭を大切にすること。まだ若かった私のこれからを真剣に思って強く言ってくれたんだと思います。この言葉がどれだけ私の人生に生きているかは心もとなくて、A兄に会って「最近どうなの?」と聞かれるたびにまだ怒られそうで恐い?!のですが、それだけ一生の感謝を持ちつづけると思います。親愛なるA兄貴、これからも厳しい目でお見守りをお願いしますm(_ _)m。


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