「1959年、インド北部の丘陵地ムスーリー」by id:Oregano

これは何かというと、チベットの亡命政府が作られた時と場所です。1996年に「TIBET: A FUTURE VISION」という本がここから出版されました。チベットはどういう理想の国を目指すかということがまとめられた本です。日本で言えば、今の安倍さんの「美しい国」の政権構想みたいなものにあたります。
しかしその内容は比べ物になりません。私が感動したのは、その中で述べられている「未来の政治の三つの主要原則」です。

1.真実(真実を歪めたり隠したりする国家であってはならない)
2.非暴力(暴力を肯定する国家であってはならない)
3.真の民主主義(真の民主主義を実現する国家でなくてはならない)

そして理想の国チベットは、

1.戦争に対する平和のサンクチュアリ
2.卑俗な物質主義に対する精神主義サンクチュアリ
3.環境における清らかさのサンクチュアリ

の三重のサンクチュアリーを作り守るとしています。

国防については、国際社会のあらゆる暴力と戦争に対して非暴力と不殺生を貫く、戦争における中立性は国連によって保証される、としています。憲法を変えて軍隊を持てる国にして国を守ろうという意見が強い今の日本とは、大変な違いです。
同じ仏教思想をベースとするどうしで、同じアジアの国際情勢を共有するどうしで、なぜそれぞれの考える「美しい国」が180度違うのか。私はそれを知りたいと思います。できたてほやほやのチベット亡命政権にホームステイして、彼らの考え方のスタートラインを感じ取ってみたいと思います。

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