★★★(三ツ星)
居住空間と完全に分離されたゲストルームがあれば楽ですが、普通はなかなかそうはいきませんから、来客を想定したリビング作りを中心に考えてみたいと思います。
人を呼びたくなるリビング作りの第一歩は掃除が行き届いていること。ごちゃごちゃした部屋では掃除するのが億劫になってしまいますから、家具などのレイアウトを工夫して、掃除を負担に感じさせない部屋とすることが大切だろうと思います。床面を広く取り、入り組んだ部分を作らないこと。以前イエはてなのテーマになった「見せる収納」などが取り入れられるとかっこいい部屋作りが出来ると思いますが、それは掃除上級者向け。普通はワンポイントのアピールくらいにとどめておくのが無難かと思います。自己主張のある個性的な部屋作りもいいですが、その前に掃除しやすい部屋とすること。これが来客が楽しくなるイエ作りの第一歩だと思います。引っ越し直後なら、そういう原則の確立がたやすいでしょう。
もう一つ確立したい原則、それはリビングを「家族同士のもてなしの場」と位置づけることです。妻が夫を、夫が妻を、親が子を、子が親を、それぞれもてなしの心で迎える場。それぞれが他者の快適さを作っていく主人公になるという考え方。みんながそういう気持ちでリビングに集っていたら、その中に本当のお客様を招くのも簡単です。不意の来客に慌てることなんて無くなります。家族同士でそんな約束なんてできないよと、普通の暮らしの中では言われてしまうと思いますが、引っ越しの時なら家族皆でそんな話も出来るのではないでしょうか。
「ボクもいつでも友だち呼んでいい?」「もちろんだよ、お母さんがいつもおいしいおやつを用意しておいてくれるぞ」「本当?」「はいはい、そのかわりあなたも色々協力してね」「わかった!」
なんて、むしろ夢が膨らみます。本当の自由気ままは、誰にも迷惑のかからないプライベートスペースで行いましょう。そちらの計画も同時進行していくと、新しいイエでの暮らし方の青写真が、家族それぞれで描きやすくなっていくと思います。
あとは家族それぞれに、来客に備えた役割分担を持ちましょう。お母さんは突然の来客にも慌てないキッチン支度。お父さんは庭の整備。ボクはいつもスッキリきれいな玄関を保つこと、なんていう感じで。
イエを常に「もてなしの場」と位置づける心構えが持てていけたら、そのイエはどんなに幸せなことでしょう。毎日の暮らしに埋没していると、それは果てしなく高い理想のようですが、引っ越しを契機にするなら、意外にすんなりと実践できてしまう気がするのです。さぁ、新しいイエに最初にお迎えする記念すべきお客様は誰でしょうか。胸が高鳴りますね。