「寒いベランダで流星祭り」by id:Oregano


冬にも流星群がやってきます。まず、11月を冬と言っていいかどうかは迷うところですが、11月中旬にやってくる「しし座流星群」。これは、過去何度もすごい数の星の雨を降らせた名物流星群です。今年の見ごろは11月17日〜18日未明です。もうすぐですね。


続いて12月上旬から飛来しはじめ、月半ばころに極大を迎える「ふたご座流星群」。これも毎年多くの流星を見せてくれる流星群です。輻射点となるふたご座はこの時期天頂付近を通りますから、その意味で観測しやすい流星群とも言えます。


その後はクリスマスのあたりにやってくる「こぐま座流星群」。これはちょっと見え方が気まぐれですが、すぐに「しぶんぎ座流星群」がやってきます。当たり外れが大きい流星群ですが、当たり年ならかなりの数の流星が流れます。


このほか、ちょっと地味な「かみのけ座流星群」なんていうのもありますが、とにかく冬もこうしたすてきな天体ショーが次々やってくるんです。うちは父も母も夜空が好きですから、流星が一番多く流れる極大日が近付くと、ちょっとわくわく。


お天気は、冬型の気圧配置になると太平洋側は晴れの日が多くなりますから、あまり心配はありません。翌日も仕事があることが多いですから、あまり夜更かしは出来ませんが、とにかく寒さも何のその。みんなベランダに集まります。ベランダでは夜空の半分しか見えませんし、市街地ですからさらに星の見え方は悪くなりますが、とにかく流星の降っている夜空の下に出る、見えようが見えまいが流れ星をイメージする、そういう夜を過ごしたいんですね。


手に手にコーヒーカップを持って、それをすすりながら夜空を眺めます。コーヒーカップといっても、中身はたいてい甘酒。これが温まっていいんです。もう毎度のことですから「見えた?」「見えた」なんていう会話はほとんどありません。ただ黙って夜空を見上げます。


去年からこのベランダ流星観測に、こちらでご紹介した褞袍(どてら)が加わりました
http://q.hatena.ne.jp/1292994072/277910/#i277910
家族お揃いの褞袍を羽織ってベランダで夜空を見上げる。深夜ですからご近所の目はありませんが、もし見られたら、なかなか傑作なビジュアルではないかと思います。


もちろん褞袍作りに参加してくれた、上京中の親戚の女の子も加わるようになりました。彼女はまだ流星が珍しくてたまらないお年頃ですから(笑)、「ほら、飛んだ」「え?どこどこ?」「あの辺から向こう側に」「えー、見てなかった」と大騒ぎ。父に「しーっ、もう夜遅いんだから」と言われてしまうこともしばしばです。やっと見えるとまた大騒ぎ…したいのをぐっと堪えて、手をバタバタさせて態度だけで大騒ぎ。先ほど私たちはただ黙って夜空を見上げるだけと書きましたが、本当は流れ星が見えると、私も、少なくとも寒さを忘れるくらいは興奮します。


流星群は季節を問わず色々やってきますから、特に冬だけという物ではありませんが、オリオンの独特の星の並び方を見ながら、甘酒のカップを両手で抱えて夜空を眺めるのはこの季節だけ。暗闇の中で何も語らず、でも同じ夜空を見上げている。これは、やってみると、とても幸せなひとときです。こうして冬の夜が更けていきます。


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