「わが家のお気に入りの冬の光景」

#019テーマ
「わが家のお気に入りの冬の光景」


さて、そんなわけで今日は“ディア・ライフ”#019、最終回の語らいスタートです。イエと暮らしのショートエッセイ、今回のテーマは「わが家のお気に入りの冬の光景」。今年の冬はもう少し先ですが、みなさまのイエで冬といえばどんな時間、どんな光景が印象的に思い浮かびますか? あったかな食卓や集い、窓から見える景色、毎年恒例のイエ行事、わが家ならではの冬の暮らしのシーン……。もちろん、年の瀬やお正月といった、年末年始のひとときも。かつてのイエ、現在のイエで心に残っている冬の光景を、そのエピソードとともに聞かせてくださいね。愛しいイエの物語、素敵な最終章になりますように、みなさまからのメッセージを楽しみにお待ちしています!


“アイデア・タイトル”
「しんしんしん……窓からじ〜っと雪景色を見つめる2匹の背中」by hazama


それは、うちの猫たちが産まれて最初の冬のこと。まだ小さな2匹が窓辺のカフェテーブルに並んで、それは不思議そうな面持ちで、しんしんと降り積もるはじめての雪をじっと見つめていました。静かな冬の部屋に、何だか神妙で詩的なひととき。今もその時の2匹の背中が目に焼きついています。思わずスナップした写真も大切にしています。


お気に入りだった京都の集合住宅に暮らした頃で、庭の四季の景色は、春に元気に泳ぎだす池のメダカたち、初夏の青葉と白いサツキの花、秋の紅葉と、いずれも忘れがたいものがありますが、とりわけ冬の雪景色は心に残っています。それはおそらく、はじめての雪を眺める猫たちのあの光景が心にしみたからなんだと思います。


どうしてあんなに感じ入ってしまったのかと、今思えば……。外で産まれて親とはぐれ、別々にうちにきた2匹。それがこうして肩を並べて、うちの中から穏やかにこの雪を眺めている。そんなめぐり合わせにしみじみして、この猫たちが私のもとで一生幸せでありますようにという願いが込み上げてきたからかも知れません。そして一方で、まだこの世に生を受けて半年あまりの幼い目が、自然の雪を不思議に見つめていることを通して、私の目にも空から降ってくる白い雪が神秘的に映ったからでしょう。


それからわが家には毎年、降る雪を窓から見つめる2匹の姿が。すっかり成長してからも、雪を不思議な目で眺める様子は変わらず、2匹が肩を並べる光景も変わらず。私はといえば、そんな姿に毎年、「雪が降ったね。今年もふたり一緒でよかったね」つぶやきます。「ふたり一緒でよかったね」というのは、「今年も一緒にいてくれてありがとうね」という私の気持ちがかぶさっています。窓からの雪景色と2匹の背中を見ながらそうつぶやけるのは、私には本当に幸せなこと。


今はマンションの窓辺、ベッドの上にのって毎日外を眺めている2匹。この冬も、しんしんと降る雪を並んで見つめる猫たちが、私の胸をあったかく包んでくれることでしょう。



※今回の「人力検索」ご投稿は11月14日(月)正午で終了とさせて頂きます。
※今回のピックアップ賞は11月15日(火)に「イエはてな」にて発表いたします。
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