「ニュー・メモリアルデー」賞
「毎月10日は【重箱の日】」by id:Fuel


日付はただの十と重の語呂合わせですが、重箱ってすてきだと思いませんか。普段の暮らしではお正月くらいしかお目にかからなくなってきていますが、今でもアニメなどでは、豪華なお弁当を表現する時には、お約束のように重箱が登場します。たとえば女の子が恋する相手に作るお弁当は重箱入り。思いが強すぎて張り切りすぎちゃったんですね。運動会などのシーンで重箱が登場することも珍しくありません。


でも現実の家庭生活では、最近はお節料理も作らず買って済ませてしまうことが多く、唯一の重箱の出番すら失われようとしています。今や重箱は絶滅危惧道具。そこで、よみがえれ重箱大作戦。「重箱の日」の創設です。重箱の良さを活用して、1月から12月まで、季節それぞれの懐石料理や行楽弁当を作ったら楽しいと思いませんか。


行楽弁当には、実際に出かけなくても楽しめる、イエはてな流「イエ・ピクニック」という手も加わります。パパの帰りを待ってからでも楽しめるインドア・ピクニック。重箱に詰めた豪華なお弁当で、花や新緑を愛でたり、紅葉狩りに行ったりする雰囲気を楽しんでください。


10日が休日なら、庭に出て重箱に詰めた豪華弁当を楽しむのもいいですね。もちろんそれを持って、どこかに出かければさらに楽しい。お弁当が豪華なら、身近な公園や河川敷も特別な行楽地に早変わりです。


Yahoo!百科事典(小学館日本大百科全書)によると、重箱の元祖は、中国の元・明代に作られた「食籠」という蓋付きの食物用容器。これが唐物として珍重された後、日本独自に発展して重箱になっていったようです。
http://100.yahoo.co.jp/detail/%E9%87%8D%E7%AE%B1/
ここから、持ち手の付いた枠がセットになった提げ重箱が生まれ、さらに重箱の行動範囲が広がっていったものと思われます。


さて、重箱の「重」は、文字通り箱を重ねるから「重」なのですが、さらにめでたさを重ねる、喜びを重ねるという意味もあります。伝統的なお節料理の詰め方はまさにこれですね。


重箱は五段重が基本形で、上から順に一の重・二の重・三の重・与の重と呼び(縁起を担いで“シ”ではなく“ヨ”と呼ぶのが楽しいですね)、さらに五段目は空っぽにしておくのが正式とされています。一から与までを人が詰め、最後の段には神様から目に見えない恵みを詰めていただく。これで重箱の料理が完成するんです。この考え、すばらしいではありませんか。もちろんこの控えの段には、上の段に詰め切れなかった物を入れて、その満ち足りた様子を神様の恵みと受けとめて感謝する、といったまとめ方もあります。


一段少ない四段重ねのお重は、控えの五段目を省略した物。三段重ねの物は各段の役割を合体させてコンパクト化を図った物と考えればいいですね。ちなみに重箱の段の役割とは、懐石の流れやコース料理の順番みたいな物と考えればいいと思います。


重箱は、正直、扱いやすい道具とは言えません。重箱の隅をつつくという言葉がありますが、そんなふうにしてていねいに洗わないといけませんし、高級な塗りの重箱の場合はさらに手入れが大変です。でも、そういう伝統的な価値のある道具を普段使いしてしまうという豪華さ、お洒落さに、ちょっとグッと来ませんか。


重箱の日は、男性も女性も和服を着たりして、凝った演出を楽しんでみるのもいいですね。さらに10が重なる10月10日は、全国重箱料理コンテストもやりましょう。もちろんイエはてな主催で。伝統の懐石から季節の行楽弁当、さらにはスイーツお重からフルーツ四段重ねまで何でもあり。時期的に準備目前のお節料理部門も充実。こうして重箱ライフがさらに楽しくなっていきます。


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