「今日は旧暦の○月○日」by id:Cocoa


日めくりカレンダーをめくりながら必ず「今日は旧暦の○月○日」と声に出して言う。これがわが家の朝の恒例です。父が言うこともあれば、母が言うこともあります。もちろん私が言うこともあります。とにかく日めくりをめくる人が必ず「今日は旧暦の○月○日」と言うのです。


聞いている方はそれに何かを答えるわけではありませんが、心の中では、今日は満月だなぁとか、節句などの季節行事なども、本当ならいついつがその時期なんだと確認したりします。


旧暦の月初めの日を迎えると、今日から長月か、とか、今日から神無月なんだ、などと、新暦の一日よりも心が改まる気持ちがします。


わが家の壁には、必ず日めくり。子供の頃からそうでした。場所もずっと変わっていません。新年になると、たった1枚を残すだけになっていた大晦日の日めくりとは打って変わった、ドサッと分厚い日めくりに掛け替えられます。それを見てお正月を感じるのもわが家の恒例でした。


もっとも、元旦だけは「今日は旧暦の○月○日」のアナウンスはお休みです。だって、今日はまだ旧暦の12月何日、なんて言われたら、せっかく新年気分が台無しになってしまいますから。そのかわり、真新しい日めくりの表紙をペリッと破る人は、十干十二支などを読み上げます。子供の私はこれをしたくてたまらないのですが、十二支は読めても十干が読めないので苦労しました(笑)。


正月二日からは「今日は旧暦の○月○日」コールが再開されますが、これは私が言いたがりました。やはり子供としては新年最初のこのイベントを担当したくなります。父がめくろうとすると、だめー、私やるー、なんて叫びながら、日めくりの所に駆け寄っていました。


子供心に、なぜ暦に新旧二通りがあるのか不思議でした。少し大きくなって暦法の違いは理解しましたが、異なる考え方で作られた暦が何となく近い結果になっていることにも不思議を感じました。そんな暦への興味が後の受験の時の志望校選びにまで影響することになったのですが、とにかく日めくりをめくりながら「今日は旧暦の○月○日」と言う習慣は、今もわが家の朝の風景として、ずっと続いています。


話し合って定められたことでもなければ、必須の理由があって続けられていることでもありませんが、これがわが家の決め事。これがないと一日が始まった気がしないという習慣です。


»このテーマの投稿コメント一覧はこちら。