「胡桃豆腐を作ってみよう」by id:YuzuPON


クルミの木は自生している所にはかなり豊富に自生しています。元から自生している物もあれば、人為的に栽培されていた木から増えていった物もあると思いますが、とにかく生えている所に行くと、山道をぐるっと巡回するだけで、持ちきれないほどの実を拾うことが出来ます。


クルミの実は見た目が梅の実のような、でも固い果肉に包まれているので、拾ったら足でゴリゴリ踏むなどして果肉を割り取り、汚れを洗って、数日天日に干してから保存します。秋の行楽で行くような山道でも拾えることがありますから、見つけたら10個くらいは拾ってきましょう。これだけあれば3〜4人家族で十分楽しめるくらいの胡桃豆腐が作れます。


材料は、クルミの仁(食べる部分)が50g確保できたとしたら、
・葛粉 50g
・砂糖 50g〜
・塩 少々
・水 400ml
こんな感じです。砂糖はお好みで加減してください。


作り方ですが、まずクルミをすり鉢に入れてよく摺ります。十分に摺れてくると油が出てきますから、そのくらいまではじっくりと摺っていきましょう。


すり鉢に分量の水を注ぎ、葛粉を入れ、すり鉢の目に入り込んでいるクルミも溶かし出すつもりで掻き混ぜます。塩、砂糖を加え、裏ごしをしながら鍋に移します。


鍋は弱火にかけ、木べらで掻き回しながらゆっくりと加熱します。焦がさないように根気よく加熱しながら掻き混ぜていると、そのうち葛粉が糊化してきますから、さらに練り続けていきます。糊化の開始から10〜15分くらいはしっかり練っていきたいですね。


それを適当な型に流し込み、2時間ほど放置しておくと、ぷるんとした胡桃豆腐の出来上がりです。固まりにくいようなら冷蔵庫に入れて冷やしてください。


食べる時はこれに、さらに葛のあんをかけていただきます。
材料は、
・葛粉
・醤油
味醂
・酒
これらを全て同体積。あとは水を葛粉の重量の5倍見当。3〜4人前なら、水大さじ2.5に葛粉・醤油・砂糖・酒、各大さじ半分を入れて火にかけてトロ味がついたら出来上がりという感じです。


出来上がった胡桃豆腐を型から取り出して切り分け、お皿に乗せて葛あんをかけ、さらにお好みで上におろし生姜を一つまみ乗せると、これで日本の伝統的な胡桃豆腐の完成です。


クルミは良質の脂質源として縄文の時代から日本人の食料となってきたそうです。脂質というと肥満の原因のように思われがちですが、クルミω-3脂肪酸を豊富に含みます。これは魚類の油の中の健康成分として注目されるEPADHAと同じ種類の脂質で、ω-3脂肪酸は体の中で有効に活用され蓄積されにくい、つまり太りにくい脂質であるといわれています。さらにビタミンB1やビタミンE、各種ミネラル分にも富む、すばらしい秋の山の恵みなんですね。


クルミは保存性がよく、輸入量も多いので一年中店頭に出回っていますが、収穫はやはり秋。クルミの木のある山に行くと、運がよければクルミを抱えたリスと出会えるかもしれません。野生のリスは動きが敏捷ですぐ逃げてしまうので、なかなか写真に撮れませんが、いる所にはけっこういます。そんなリスたちにちょっとお裾分けをもらって秋の恵みの胡桃豆腐が作れたら楽しいですね。可能なら、山道でのクルミ探しからチャレンジしてみてください。


»このテーマの投稿コメント一覧はこちら。