★★★(三ツ星)

「今年は森と繋がるクリスマスを」by id:C2H5OH


今年は国連が定めた国際森林年です。色々なニュースの中で埋もれてしまっていますが、その意義は忘れたくありません。そこで、わが家の今年のクリスマスのテーマは「森と繋がる」です。


まずツリーですが、杉の若木をクリスマスツリーにしているという人の話を読み、私も憧れていました。先日田舎に行ったら、いい形の若木を発見。杉林が広がっている地域では、植えてもいないのに勝手に生えてくる杉の木がたくさんあるのです。植え替えの適期は芽吹きが始まる直前ですから、来年の春先にでももらいに来ようと思っていたら、邪魔だからそのうち切っちまうよとのこと。時期的にやや無謀でしたが、掘り取って連れてきました。鉢植えにしておいたら立派に根付いて、なかなかいい感じのクリスマスツリー状態になっています。


杉は日本固有の植物で、有史以前から、というより人間が誕生する遥か以前からこの地に存在していました。今は無計画な植林が本来あるべき自然を損なっていたり、花粉症の原因になっていたりして嫌われ気味ですが、杉に罪はありません。毎年花芽を丁寧に摘んでおけば花粉症の人の迷惑にはなりませんから、これからわが家でもこれを大切に育てていこうと思っています。


飾り付けには、木の実を使いたいですね。先日のピックアップ賞に「どんぐりをつなぐ」というのがあって、これだ!と思いました。
http://d.hatena.ne.jp/ie-ha-te-na/20110927#1317547481
つないだドングリを電飾のように飾ったら楽しい飾りになりそうです。「どんぐりと山猫」の童話のように、特別な時だけ金色に光らないでしょうか。


リースも出来るだけ森の素材で作ってみたいと考えています。これから紅葉の季節ですから、山道の散策を楽しみつつ、自然破壊にならない程度に素材集めをしてみたいと思っています。


大人のクリスマスの食卓に欠かせないワインは、今年は岩手県葛巻町特産の山ぶどうのワインを予定しています。葛巻町には山ぶどうが自生し、縄文の昔から食材として利用されてきた記録があると言われています。それを地域活性に生かそうとワイン作りが始まったのが20数年前。今ではワインコンクールに入賞するほどの良いワインが生産されています。もちろん山ぶどうが原料ですから、このワイン作りには町の森林組合も出資しています。森を守り、山ぶどうを育て、ワインを醸す。これこそ「森のワイン」と呼ぶに相応しいワインでしょう。


震災の影響が心配でしたが、ワインも会社も無事だったようで、ちゃんと通販も扱われています。「葛巻高原食品加工株式会社」で検索するとサイトが見つかります。この会社は町の第三セクターとして設立された会社です。


ケーキはブッシュ・ド・ノエル。これは薪をかたどった物ですね。キリスト誕生を祝って夜通し燃やされ続けた暖炉を象徴していると言われますが、薪が冬の豊かさ温かさを象徴していたことも忘れてはならないと思います。


そこで、テーブルの上のケーキとお揃いで、部屋の一角にもブッシュ・ド・ノエルと同じような形をした細い丸太の切れ端を飾ってみたいと思います。そして、人は再びこういう「原始」のエネルギーに帰るべきではないかと、ちょっとそんなことも家族と共に考えてみたいと思っています。


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★★★ ミシュランコメント

あぁ、なんて奥深く豊かな着想なんでしょう……。「国際森林年」に「森と繋がるクリスマス」、それがしつらいにもメニューにも、こんなにひろがりをもって展開されるなんて、日頃から培われている思いの深さに感銘を受けました。杉の若木を育てられたところに、先日の「どんぐりをつなぐ」というサプリもまたつながって! ツリーにどんぐりのガーランドって、シックな美しさが目に浮かんできて、わが家でも今年いただき!と膝を打ちました。岩手の山ぶどうのワインというのも興味津々です。「ブッシュ・ド・ノエル」から「原始のエネルギー」へと思いがひろげられるのも、C2H5OHさんならでは。すでに今年の語らいの思い出に残るような上質なココロのメッセージ、★★★に決定です!