「秋の果実酒」by id:momokuri3


今までたくさんの果実酒の話題が出ましたが、まだイエはてな未登場と思われるものをいくつかご紹介してみたいと思います。


まず秋の果実の代表格、柿を使ったもの。材料は焼酎1升につき甘柿1kgといったところ。1kgと書くといかにも大量そうですが、実際に計ってみるとほんの数個です。さらに柿の葉を3〜4枚。これは香り付けに用います。葉はお店では買えませんから、柿の木のあるイエにお願いして分けてもらってください。もちろん自宅の庭に柿の木があれば、実も葉も庭で揃いますね。


柿はヘタを取ってよく洗って水気を拭き取り、6つ切りか8つ切り。皮をむく必要はありません。種も取り除かないでそのまま漬け込みますが、切る時に一緒に切ってしまった種は取り除いた方がいいでしょう。葉もよく洗っておきます。それらを漬け込み瓶に入れて焼酎を注けば仕込み完了。柿は糖分が多い果実ですからお砂糖は要りません。


柿の実と葉は約3ヶ月で引き上げてください。1年ほど寝かせておくと、味わい深い柿酒の完成です。


次は、あけび酒です。あけびだけでなく、ムベも同じように使えます。焼酎1升につき、これを約1kg。氷砂糖は100gかそれ以下にしておきましょう。


実を洗い、水気を拭き取ったら、縦半分に切ります。果皮からは苦味と渋味が出ますから、苦手な人は皮をむいてもいいですが、それも味わいのうちと思う人は皮はむかずそのままで。漬け込み容器に入れて氷砂糖を加え、焼酎を注いで保存。実は40〜50日程度で引き上げてください。


なお、あけびは地方の農産物直売所などに出回るほか、探せば通販もあるようですが、山に取りに行く場合は、知らない山にはあまり深く踏み入らないようにしてください。地域によるとアケビが熊の重要な食料になっている場合があるからです。熊はこういった果物などを中心に食べるおとなしい生き物ですが、出くわして驚かせてしまえば何が起こるかわかりません。秋が深まってくると、熊はだんだん山を下りてきて冬ごもりの準備を始めますので、出くわす機会が多くなります。気を付けてください。


最後は、ざくろ酒です。材料はよく熟したざくろの実。中身のツブツブしている部分も皮も両方使いますが、皮は風味付けなので、多すぎると渋くなります。焼酎1升あたり、ツブツブ500gに対して皮200gを目安に、皮は好みで加減してください。


氷砂糖はこれも100g以下でいきましょう。甘さが欲しければ飲む時に足せばいいのですし、ハチミツなど様々な甘味で楽しめるバリエーションも増えますから、果実酒全般、漬け込み時の甘さは控えめがコツではないかと思います。


ざくろの皮と果皮を別々にし、よく洗って水気を切って漬け込み瓶に入れ、氷砂糖を入れて焼酎を注ぎます。果皮は1週間で引き上げてください。2ヶ月たったら果実も引き上げて、1年間寝かせます。独特のおいしさの果実酒が出来上がります。


これらの果実酒は、それぞれ独特の香りと渋味が同居した、やや大人のテイストです(いや、お酒ですから当然大人専用ですがw)。酸味には欠けますから、飲む時にはお好みに応じて、レモン酒などの柑橘系果実酒とブレンドして楽しんでください。


»このテーマの投稿コメント一覧はこちら。