★★★(三ツ星)
まず必要な物は頭を守るヘルメットか防災頭巾ですが、私はどうも昔ながらの防災頭巾がいいような気がしています。頭だけでなく、大切な頸椎も一緒に守ってくれるからです。少々格好はよくありませんが、自作精神を発揮して一つ試作してみました。作るにあたって参考にしたのはこちらです。
http://homepage3.nifty.com/samantha/bousaizukin.html
素材は、布は木綿製。夜間でも目立つよう、明るい黄色系の端切れを用いました。中綿も木綿の布団ワタです。これらに燃えやすい、あるいは熱で溶けやすい化繊は適しません。頭頂部の綿は少し厚めに入れてみましたので、出来上がりはややモコモコになりました。最後の仕上げに防炎スプレーを吹き付けて完成です。
被ってみた感じは、顔の横まで覆うのでやや視界が制限されて違和感がありますが、棒で頭を叩いてみてもあまり痛くなく、避難時の防護用には十分使えるとの印象を得ました。ただ、欠点は耳が覆われてしまうので、音が少々聞こえにくくなる点。ためしに耳の所に10円玉くらいの穴を開けてみたところ、なかなか良好。これで、使える防災頭巾が出来ました。
もう一つ、ヘルメットに頸部を防護する「錏(しころ)」を取り付けてみることにしました。錏とは昔の武将の兜の後頭部周りの部分のことで、消防士のヘルメットに垂れ下がっている銀色の布のような物も錏と呼ばれています。防災用品としてもこうした物が市販されています。
http://getnews.jp/archives/25770
さっそくこれを真似て自作してみることにしました。素材はやはり木綿の布と木綿の布団ワタです。長方形ではなく下がやや広い台形とすることで、市販品よりも心持ち防護範囲を広げてみました。これもなかなか使えるアイテムになりました。防災頭巾は枕元に、錏付きヘルメットは玄関に常備することにしました。もちろん家族の分も作りましたよ。普段は木工作や金属工作が主な私ですが、縫い物も工作の一つと思えばやって出来ないことはありません。
災害時には煤塵が巻き上がることもあるので、マスクも必須ですね。防塵マスクの規格には、固体粒子用の「DS(使い捨て型)」「RS(取替え型)」、液体粒子用の「DL(使い捨て型)」「RL(取替え型)」の4種類があり、それぞれ粒子捕集効率によって1〜3のランクが付けられています(数字が大きくなるほど高効率)。放射性物質の吸引を防ぐためには最高ランクのDL3かRL3が必要です。
とりあえず今わが家で用意しているのはこれ。米国NIOSH規格によるN95を満たす製品で、日本の規格ではDS2に相当する捕集効率です。放射性物質やアスベストで高濃度に汚染された地域では力不足ですが、通常の避難なら十分な性能を持ったマスクだろうと思います。1箱10枚入りなので、家族で分け合って使えます。
手は軍手で防護しますが、素材を吟味しないと、熱い物に触れた時にジュッと溶けてしまったりします。防災用にポリエステルやレーヨン製は使えません。厚手の木綿製を購入しました。
問題は靴です。靴は履き慣れた物が一番という気もしますが、危険物が散乱している所を安全に歩くには、踏み抜き防止機能のある安全靴が欲しくなります。これは屋外だけでなく、地震の際の室内でもそうですね。
そこで、私は履き慣れた靴に踏み抜き防止インソールを装着してカスタマイズすることにしました。これは、普通の靴の中敷きとして使うことで、ステンレス板によるそれなりの踏み抜き防止性能を付加できる製品です。
踏み抜き防止機能の付いた安全靴は靴底が硬く曲がりにくく、そのぶん動きが制限されてしまいますし、長く履いていると疲れやすいのも難点です。しかしインソールなら、安全な所に出たら取り外して歩くことも出来ます。これが最大のメリット。専用の安全靴と違って足裏の防護範囲がやや狭く、靴の縁で危険物を踏んでしまうと怪我をしてしまいますが、それでも歩けなくなるような大怪我は、おそらくこれで防げるでしょう。
いくつかのメーカーから似たような製品が出ていて、価格はだいたい千円台のようです。私はこれを予め装着した靴をベッドの横と玄関に置き、さらに未使用の物(ただし靴のサイズに合わせ、必要に応じてサイズはカットして調節しておきます)を通勤鞄の中にも入れて持ち歩くことにしました。
今回は防護用品ということで書かせていただきましたが、防災用品はどんな物でも、こだわりを持って選んだり、色々考えて自分なりの工夫を加えていくことが大切ではないかと思います。それによってより高い効果を得ようとすることももちろんですが、考え工夫することで防災への意識が高まる、この効果が大きいと思うのです。