★★(二ツ星)
動物と共に避難できないとどんな結果になってしまうのか。私たちはその教訓を今、本当に沈痛な思いで受けとめています。そこで、必ずしも避難に車が使えるとは限りませんが、動物とともに避難できる車を用意してみることにしました。
必要な条件は、
1.動物を伴って避難所まで行ける。
2.避難所で動物の同伴を断られたら付近の安全な場所に駐車して車中泊が行える。
3.車中泊避難が長期にわたっても動物にダメージがないような準備を出来るだけ整える。
こんな感じです。
特に大切なポイントは2と3です。本来なら全ての避難所に動物同伴避難者のための区画が整備されるべきだと思いますが、今はまだ大震災の教訓を元にそのための議論がやっとスタートしたところですから、当分は動物と一緒の場合、車中泊を覚悟しなければならないでしょう。家族で避難したとしても、最低一名は動物と共に車中での寝泊まりを覚悟しなければなりません。
車はワンボックスの商用バンを用意しました。ちょうど車検で買い換えを考えていたので、思い切ってこのタイプにしてしまったのです。
参考リンク
http://hikaku.fxtec.info/syachuhaku/index.php?
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車中泊に耐える車ならキャンピングカー仕様が最高でしょうが、わが家に複数の車が持てる余裕はありません。家族で乗れる乗用車としても使う事を考えると、普段はリアシートも使って4人以上乗れることが必須条件です。
シートを倒すと平らになって寝ることもできる5ナンバーのミニバンなども検討しましたが、長期宿泊を考えると、どうしても間に合わせの感が否めません。迷いに迷った結果、リアシートを上げてしまえばフルフラットの広い荷室が現れる商用のワンボックスを選択しました。
車が到着したので、さっそくこれを動物避難車仕様にしてみることにしました。ちなみに車は中古です。後々下取りに出すことは考えませんから、少しくらいの改造は躊躇無くやってしまいます。
届いた車は荷室にタイヤハウスが出っ張っている低床タイプでしたので、その上に板を渡して平床型にする所から始めました。高さがちょっと犠牲になりますが、それは目をつぶることにしました。そこにケージを固定。自作の床ですから自由にフックなどを取り付けることが出来ます。ケージの大きさは、人間は起きて半畳寝て一畳というくらいで3尺幅あれば余裕で寝られますから、荷室幅マイナス90cmの範囲内で最も大型のケージを用意しました。わが家のペットは猫一匹ですが、長期滞在になる場合、大きいにこしたことはありません。「ねこつぐら」的スペースは、ケージ内にキャリーバッグを置くことで対処します。
続いて後部座席の窓に網を取り付けました。窓の開閉の都合で車体の外側から取り付けることになり、ちょっと機動隊のバスみたいになってしまいましたが、炎天下の締め切った車内は大変な高温になりますから、窓を開け、なおかつ動物をケージの外に出していても逃げ出さない工夫は必須です。
取り付け枠も自作して出来るだけスマートな形になるよう努力しました。少々いかついイメージになってしまいましたが、最初からこういう仕様なんだと言っても通るくらいの出来映えにはなったと思っています。ただ、これを取り付けたまま車検が通るかは不明ですので、当面は取り外して走ることにしています。次回車検時に装着して通るかどうか試してみます。
人間用の寝床ですが、これは敷き布団+寝袋で対処することにしました。厳寒期でも温かく寝るには冬山用の寝袋が最高です。布団を敷いて寝てみました。やや布団の縁がケージや荷室の壁に当たりますが、寝袋でミノムシみたいになっていますから横幅は十分でした。
ケージも布団も乗らない床面には扉を付けて、ちょっとした床下収納になるようにしました。普段は使わないけれど載せておきたい、そんな物をそこに収納する予定です。さらに収納力を上げるため、ルーフボックスを装着。長期滞在に必要な色々な物はそこに詰め込めるようにしてみました。
今少しずつ、長期滞在に必要な物は何かと考えながら積み荷を揃えている所ですが、とにかくいざという時は、フードと水を積み込み、動物を抱いて車に乗り込めば、到着した先で1ヶ月は暮らせる。そういう車にしたいと思っています。
なお、厳冬期の動物の保温は、寝袋で対処することにしています。うちの場合は猫ですので、寝袋の中で抱いていれば大丈夫。まだ寒い日が続いていた震災直後から、いざというときに備えて寝袋の中で一緒に寝る練習をしてきました。ですからうちの猫は寝袋の中が大好きです。モノの準備だけでなく、こういう準備も欠かせない避難対策だと思っています。
お盆休みには庭に止めた車の中で、猫と一緒の「イエ・サマーキャンプ」も楽しみつつ実施してみたいと思っています。車中泊避難の場合、狭い車内で動かないでいることによるエコノミークラス症候群の危険性が指摘されていますから、車外で軽い体操などもして、活気ある避難生活を予備体験してみる予定です。