★★(二ツ星)
材料はおよそ2人前。
* 豆腐 半丁
* ゴーヤー 50g
* タマネギ 50g
* 冬瓜 50g
* 人参(もし手に入れば島人参がお勧め) 20g
* トマト 1個
* トマトジュース 400ml
* 固形スープの素 1個
* サラダオイル 大さじ1
* めんつゆ 適宜
* 塩 少々
* スパイス類
o クミンシード 小さじ1/2
o S&B赤缶カレーミックス 大さじ1
o ブラックペッパー 小さじ1/2
まず最初に、豆腐の水切りから始めましょう。沖縄の豆腐みたいに、ちょっと固いかなくらいまで水を切ります。
ゴーヤーは縦2つ割りにしてスプーンで種とワタを取り除きます。スープカレーの具は大きく切るのが特徴ですが、ゴーヤーだけは大きいと苦いですから、チャンプルーにするような薄切りが無難です。苦味が苦手な人は塩を揉み込んで、少し絞って使ってもいいですよ。
冬瓜、人参、トマトはそれぞれ大振りに切ります。トマトのタネはトマトジュースと一緒にしておきましょう。豆腐も水が切れたら、大振りのサイの目にしておきます。タマネギはみじん切り。
具材が別調理となるのもスープカレーの特徴ですから、冬瓜、人参、豆腐は、市販のめんつゆをうどんつゆ程度に稀釈した物で30分程度煮込んで、そのまま冷まして味を染み込ませておいてください。ちょっとおでんみたいですね。
さて、カレーのスタートはクミンシード炒めから。しっかり炒めて香りを引き出します。フライパンにサラダ油大さじ1を入れて火にかけ、クミンシードを2〜3 粒落としてみます。これは油の温度測定用。シュワシュワと細かい泡が立ってきたらクミンシード全量を加えて、細かい泡が出る状態を維持するくらいの火加減で、焦がさないように炒めていきます。
十分に香りが立ってきたらタマネギを加え、これもじっくりと時間を掛けて炒めていきます。完全に飴色にする必要はありませんが、軽く色付くくらいまでは炒め続けてください。火はもちろん弱火です。
トマトを入れてざっと炒め、カレー粉を小さじ1程度残してまぶします。さらに香ばしい香りが立ってくるまで炒めてください。
トマトジュースを注ぎ、火を強めて一度沸騰させます。沸騰したら弱火に戻して固形スープの素を入れてよく溶かし、浮いてくるアクをすくいましょう。かなり浮いてきますから、しっかり取ってくださいね。煮込み時間は約20分。
仕上げに残り約小さじ1のカレー粉とブラックペッパー小さじ1/2を加え、味を見ながら塩で整えます。煮込んでいる間に煮詰まってしまったようなら、冬瓜などを煮込んでいた煮汁を加えて伸ばしてください。
器にカレーを注ぎ、温め直した別調理の具材をバランス良く配置して、はい、これで出来上がり。スープカレーですから、カレーのみの器と、ご飯のみの器に分けて盛り付けてくださいね。
これは何がポイントなのかというと、北海道で生まれたスープカレーに、沖縄料理に多く使われる具材を合わせた点。東洋医学には「四気五味」という考え方があり、食材を寒・熱・温・涼の四気、酸・苦・甘・辛・鹹の五味に分類して、それぞれの取り合わせで漢方処方のような効果を醸し出していきますが、このカレーは爽やかな辛さで一回がーっと汗を掻き、その後、五味の中の辛さが持つ熱の発散効果と、ゴーヤー、豆腐、冬瓜、トマトといった四気の中の寒に分類される食材の働きでスッと涼しくなるという効果を狙っています。
特にゴーヤーは四気が寒で五味が苦ですから、体の熱を取りさらに陽の気を遠ざけるというクールダウン効果に優れています。ただ、陽の気はあまり遠ざけすぎると精力が減退しますから、他の寒系食材には五味が甘の物を持ってきて、滋養強壮の効果を補っています。
なんて書くと「スープカレー大使」の大泉さんにひっぱたかれそうですが、野菜ソムリエのマミさんなら分かってくれるかなあ(笑)
ちなみにこのスープカレーは冷めて固まる脂分を含みませんから、冷製スープとしても楽しんで頂けます。あ、夏カレーというとナスも捨てがたいですね。これも四気では「涼」に分類される食材で清熱効果を持ちますから、お好みで加えて楽しんでください。以上、食べている間は汗を掻きますが、食後に涼を呼んでくれるスープカレー夏バージョンのご紹介でした。