「梅雨時の植物巡り」by id:CandyPot


雨に洗われた植物はきれいですね。まずこの季節は何と言っても紫陽花。紫陽花の名所もありますが、公園や、マチの庭先の紫陽花もすてきです。


あ、ドクダミめっけ。これも梅雨時によく見かける花ですね。紫陽花の下の方でひっそり咲いていたりします。ドクダミの花は4枚の花びらですが、本当の花はめしべのように見える黄色い部分。ここに小さな花が密集しています。花びらに見えるところは、普通の花で言うと「がく」に当たる部分。ドクダミの場合は小さな花の集合体ですので総苞片(そうほうへん)と呼びますが、紫陽花も花びらのように見える部分も「がく」ですから、どちらも似ていますね。


タチアオイもきれいです。ちょっと見るとハイビスカスみたい。蒸し暑い日はキリッと冷やしたハイビスカスティーを保冷水筒に入れて、タチアオイのお花見に出かけましょう。夏をちょっと先取りする気持ちになれます。タチアオイは真夏になっても咲いているのを見かけますが、梅雨時に咲くタチアオイは、てっぺんまで咲ききると梅雨が明けるなんていわれます。だから「ツユアオイ」と呼ぶ地方もあるみたいですね。


花菖蒲も梅雨時ですねー。「いずれがアヤメかカキツバタ」という言葉がありますが、ここに花菖蒲が入っていないのは、花菖蒲だけ花期が遅いから。花菖蒲は東京では渋谷区と葛飾区の花になっていて、渋谷区では明治神宮内苑の菖蒲田、葛飾区では堀切菖蒲園や、水元公園のはなしょうぶ園が見事です。


神宮の菖蒲田
http://www.meijijingu.or.jp/midokoro/2.html


堀切菖蒲園
http://www.katsushika-kanko.com/katsumaru/area/horikiri03/index.html


水元公園
http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index041.html


野原に行くと、シロツメクサも「四つ葉を見つけて」といわんばかりに葉を茂らせています。花は春から秋までいつでも咲きますが、とりわけ梅雨時の暗い雨雲の下で咲く花は、そこだけぽわっとあかりがついているように見えたりします。宮沢賢治の童話の中に「つめくさのあかり」が出てきますが、本当にそんな感じがします。


雨の日は、樹木の葉を眺めるのも楽しいです。樹木の葉に貯まった水がどう流れていくかを観察するんです。植物の葉は、雨水を受けとめてそれをやんわりと根元に導いていく、自然の如雨露の役目も持っています。葉っぱに落ちた雨水の一部は葉先から滴となって落ちていきます。残りの雨水は柄を伝って枝を濡らし、そして根元に流れていきます。植物はこうやって、豪雨の時でも根元を守っているんですね。そんな様子を眺めていると、自然の造形には本当に無駄がないなぁと感動します。


あ、この季節に実を結ぶ果樹も楽しみですね。梅の実やグミの実は勝手に採るとしかられてしまいますが、桑の木はたまーに勝手に生えてきたようなのがあったりします。桑にはたくさんの品種があり、全てがいい実をつけるとは限りませんが、もしいい実りのある自生の木を見つけたらすごくラッキー。桑の実はビタミンC、カルシウム、鉄、カリウムなどに富み、しかもあの赤い色はアントシアニン。とても健康にいいフルーツなんですよ。


こんなふうに、眺めたり、観察したり、食べられる実を探したり。植物は四季折々に色々な姿を見せてくれますが、この時期の植物巡り散歩も楽しいです。


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