「香りで遊ぼう」by id:maruiti


香りには五感の中で一番脳の奥まで届き、記憶や感性、本能に働きかける作用があるそうだ。


子供の頃、嗅いだいろいろな香り。楽しかった思い出は、その時の香りも一緒に記憶していることが多いようで、
ふと感じた香りで懐かしい記憶がふいによみがえってきたりする。


生きていく上で、人は沢山の匂い・香りと関わることになる。
しかし最近、子どもたちの嗅覚に異変が起きているというニュースを聞いた。


街には人工の香りが溢れ、家にだって消しゴムからお茶、食べ物にも人工の香りがいっぱい添加されている。
摘みたての果物や野菜の香りを知らない子も多く、子供達の嗅覚は、すっかり人工の香りに慣れてしまっているようだ。


もっとも子供ばかりではない。発酵の匂いと腐敗匂をかぎわけることが出来ない大人だって増えている。


嗅覚は光や音の情報とは違いアナログな感覚である。


ソムリエのワインの香りの表現を聞くとよくわかるが、香りを表す言葉はなかなか難しく、伝えるためには豊かな香りの経験に言葉を組み合わせないといけない。


こうした様々な香りについて、学んだり、様々な香りの体験をして興味を育むことを『香育(こういく)』と言うそうだ。


 香育とは、「自然環境や植物との接触が減少している現代の子どもたちに、自然の香りを楽しむという感覚的経験を提供し、その経験を通じ、子どもたちに人と自然のつながり、人へのやさしさ、癒し癒されることの大切さなどを伝えること」。
 (参)香育テキストより抜粋


香りを活用する体験として代表的なものは、植物などから抽出した精油を使って心身のバランスを整えたり、
人が持っている自然治癒力や抵抗力を高めると言われるアロマテラピーだろう。


今回はアロマに詳しい友人が、小さい子供でも楽しめるような、遊びながら色々な香りを体験するプランを考えて遊びに来てくれたので、さっそく家族みんなで試してみた。


用意してくれたのは精油と色鉛筆、そして紙粘土。
さてさてこれらをどう使うのか?


香りは有名なものを中心に15種類。
(ワイルドラベンダー、ティートリー、グレープフルーツ、シナモン、イランイラン、オレンジ、ペパーミント、ユーカリレモン、
ローズマリーレモングラスクローブユーカリジャスミン、ペッパー、マンダリン)


まずはその香りのつけた細長い試験紙を嗅ぐ。
「これ好き〜」、「なんか変な匂いだなぁ」、「あ、これわかった!」。
それぞれ違う香りに、様々なイメージが浮かぶ。


子供達は好きな香りとそうではないものに分けてみる。
大人はどの香りがどれなのかを当ててみる。
オレンジとグレープフルーツ、ユーカリレモン、レモングラスの違いは結構集中して嗅がないと違いがわからない。


お次はその香りからイメージされる色を考える。
どの香りが何かは全部終わるまで内緒だったので、自分はワイルドラベンダー、妻はティートリー、息子はグレープフルーツを緑色とイメージしていたw


息子:変な匂いがあった〜(ローズマリージャスミン)。
妻:やっぱり私ティートリーとクローブが好き〜
娘:あれぇ?、からっぽだけどいい匂いがする〜(オレンジ)
自分:これって(ティートリー)昔行ったことのある誰かの家の匂いだw


それから好きな精油をつけた香りの紙粘土工作。
香りをいくつか混ぜ、調合してオリジナルの香りをつくる。
何滴どれを入れると香りがどう変化していくのか?なんて理科の実験みたいで楽しかった。


自分はせっかくなので枕元に置いて安眠を促す作用を希望して、ラベンダーとユーカリを組み合わせた。
ユーカリは風邪予防の効果もあるそうだ。
息子はペパーミントとグレープフルーツがいたく気に入ったとのこと。なるほどミックスした香りを改めて嗅いでみると、二つがよく合って実に良い香りだ。
爽やかな香りが彼の作品の恐竜(トリケラトプス)とよく合っている。


娘作のオレンジとマンダリンの香りのヘビは、妻が作ったクローブ&ペッパーの蛙の迫力に負けてしまいそうだw 


最後はマッサージ!ペアになって交代でハンドマッサージ。
アロマオイルの代わりに、無添加のハンドクリームに精油を混ぜたものを使った。この日はグレープフルーツ。
相手の手に優しく、優しく触ってあげようといわれたが、子供達は手の平をギューギュー押してくれたw


子供の握力なんて、大したことないと思っていたが、子供の細い指が手のツボを絶妙に押してくれる。
特に娘の指の力の強さには驚かされた。


お互いにおしゃべりしながらマッサージする事でコミュニケーションも円滑に。
これで子供達の心の中に、楽しい香りの思い出を作ることができたかな?
香育を体験させてくれた友人には大感謝!


大人になると、つい香りは効能を考えてしまう。でもそれだけでは、子供はつまらない。
これから増える雨で外で遊べない日には家の中で、香りを使った遊びを楽しみたい。


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