「旬を追いかけながら復興を応援し続けよう、初夏から夏は三陸の生ウニ」by id:tough


ウニは種類や産地によって旬の時期が異なりますが、三陸のウニといったら初夏から夏が旬。ウニには多数の種類がありますが、食用にされるのは主に、バフンウニ、エゾバフンウニ、アカウニ、ムラサキウニなど。これらは全てホンウニ目ホンウニ亜目に分類されている種類ですが、味わいはそれぞれに特徴があります。


三陸でとれるのは主にムラサキウニ。バフンウニなどに比べてあっさりとした味わいですが、これがまた、いくらでも食べたくなってしまう旨さなのです。


本当に新鮮なとれたての生ウニは、水上げされる場所まで行くか、生きたままで仕入れるお店などに行かないと食べられません。ウニは中身を取り出すとすぐにとろけてしまうため、普通は締める工程をへて出荷されるのです。こうなると、味わいが微妙に変化してしまいます。


本当に新鮮なとれたての生ウニは、もうそれだけでご馳走ですし、これさえあれば白いご飯が何杯でも食べられてしまう旨さです。寿司飯ではない、普通のご飯で十分なのです。三陸には、そういうとれたてのウニを食べさせてくれるお店が何軒もありました。


ありました、と書いたのは、やはり東日本大震災と、それに伴う津波の直撃を受けた地域だからです。ウニのマチといえばまず種市。そして釜石、宮古、久慈、大船渡、等々。今、現地の様子はどのような感じでしょうか。これらのマチには本当にウニの名店と言えるお店が何軒もありました。被害は受けていないでしょうか。今も元気に営業を続けているでしょうか。気になります。


もちろん、ウニ漁への津波の影響も心配です。海で働く方々が被災されたり、漁場や加工施設などが破壊されたり…。さらに現在のウニ漁は、稚ウニを養殖して放流する方式が主流ですが、岩手県の稚ウニを一手に引き受けている県栽培漁業協会の種市事業所で放流を待っていた稚ウニが、根こそぎ津波に持って行かれてしまったらしいのです。飼育設備も壊滅とのことで、5月初旬のニュースでは、復興のメドはまだ立っていないとのことでした。


先日、外回りの仕事の移動中にラジオを聞いていたら、安心な食べ物の流通を手がけている組織の代表の方が出演していました。大震災の後、その人も何度も被災地に足を運んで支援に取り組んでおられる様子でしたが、その人が水産加工業方たちから託された言葉が「私たちのことを忘れないでくださいね」だったのだそうです。


いつになるかわからないけれど必ずまた事業を再開させる。だからそれまで忘れないで。そういう意味のメッセージですね。私はこの放送を聞いて、仕事中なのに涙が止まらなくなってしまいました。


海の幸が大好きで、何度も三陸に通っていた私からもお願いします。三陸のウニをはじめ、東北は本当に旨い海の幸の宝庫です。鮮魚も、加工品も、三陸をはじめとする東北の海の幸は絶品です。どうか皆さん、東北の旨い物と、海で働く人たち、流通、加工などにたずさわる人たち、会社、お店などなどのことを忘れないでください。


すでに復興に着手しつつある所、これから復興に全力をあげていく所、復興までに何年もかかる所、条件は様々だと思いますが、東北の全てが復興するまで、季節季節の海の幸の旬を追いかけながら、東北の復興をずっと応援し続けていきましょう。初夏から夏は岩手の生ウニ。本当においしいですよ!!


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