★★★(三ツ星)

「ムベを育てて縁起のいいベランダに」by id:Fuel


ムベはアケビ科に属する植物ですが、実が熟してもアケビのように割れません。「長命樹」の名を持つ縁起のいい植物で、昔は無病長寿の霊果と賞せられていたそうです。葉は掌状複葉、つまり複数の葉が手の平のような形に集まったものですが、この葉の数が苗のうちは3枚、少し育ってくると5枚、そして最終的に7枚へと増えていくことから、これが七五三に通じて縁起が良いとも言われています。


この苗が手に入りました。知り合いにムベを育てている人がいて、挿し木にしてくれたのです。しかもムベは1本でも結実するが複数の木で交配した方が良く実るからと、別々の木から挿し木をしてくれて、無事発根しました。これをベランダで育ててみようという計画です。


鉢植えでいけるか検討してみたところ、無理ではない物の、やはり育ちは地面に植えた方が良さそうでしたので、植え付けは地面に行うことにしました。もう少し苗が安定してから植える予定ですが、肥沃な土を好むとのことなので、今は堆肥をすき込んで寝かせている所です。


おいおい、今回はベランダでの菜園や花壇がテーマだぞと言われそうですが、植え付けは地面でも、育てるのはベランダの予定なのです。ムベは長くツルを伸ばす植物ですから、地面から伸びてきたツルをベランダに絡ませて、実はそちらで収穫する予定なのです。うまく育てると1年で1.5mくらいは伸びるとのことですので、地面からロープを張ってベランダにツルを誘導してやれば、今年は無理かもしれませんが、来年は確実にベランダに届くでしょう。2本の苗は、それぞれベランダの左右の下の地面に植え付ける予定です。


ムベは伸び放題にしておくと、それこそ絡みついた木を枯らしてしまうほどに葉を茂らせるそうですから、これは緑のカーテンにも使えそうです。実際検索してみると、壁面緑化やサンシェードプランツとしても利用されていると書かれたページが見つかります。


ムベはこのように、地面に植え付けてベランダを緑化するという、とても特殊な楽しみ方が出来る植物です。ムベは根元に光が当たりすぎると育ちが悪くなるそうですが、日光は大好きな植物ですから、ツルや葉はしっかりお日様に当てる方が、実の付き方が良くなるそうです。ですからベランダに絡ませて育てるのにとても向いていると言えそうですね。自然界では樹木に巻き付いて育っていく植物ですが、人間のマチではその代わりをベランダが務めてくれるのです。


以上、地面とベランダのコラボで楽しむベランダ園芸も有り、ということで書かせていただきました。もちろんマンションなどで地面が使えない方も、鉢植えで育てられないことはありませんから、この「長命樹」で縁起のいいベランダにしてみませんか。サンシェードプランツとして利用すれば夏の省エネにも役立ちますから、地球に貢献できて二重に縁起がいいですね。乾燥を嫌う植物のようですから、鉢は直射日光を避けた場所に置き、育ったツルをベランダの正面に誘導してあげるのがいいと思います。


植え付けはこれからですが、また育ってきたら、機会を見て様子をご報告させて頂きたいと思います。


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★★★ ミシュランコメント

コレはまたいろんなオドロキが詰まったプランですねー! 「ムベ」が別名「長命樹」、「昔は無病長寿の霊果」ということもはじめて知って、少し調べてみたら、かつては果樹として重んじられ、宮中に献上する習慣もあったそうですね。果肉も甘くて美味しいけれど、少し食べにくいので知られなくなったみたい。「サンシェードプランツ」として壁面緑化にとご提案のように、昔の日本でもムベで「日陰棚」を作ったんですって。ここまででも、縁起がよくて美味しくて緑のカーテンにもなるといううれしいこと3つ。そしてさらに、このプランの要は、1階の地面から植えて2階のベランダにツルを這わせるという「地面とベランダのコラボで楽しむ」! そんな楽しみ方ができて実もなる植物はそんなにはないと思います。また、写真で花を見てみたら、白くてとても美しい姿でした。ムベという植物の再発見と、その最高の育て方アイデアに拍手と★★★を贈呈します!