★★(二ツ星)
私も色々な野菜をベランダで育てていますが、面倒なのが水やりです。ベランダには水道がないのです。バケツに雨水を溜めて使っていたこともありますが、ボウフラが発生することもありますし、夏場などはバケツ程度では足りません。
そこで何かいい雨水を溜める容器はないかと考え、いわゆるベランダストッカーを使ってみることにしました。フタ付きのプラスチック製収納ボックスです。買ってきたのは18リットルの灯油ポリタンクが4本すっぽり収まるサイズで、容積は約135リットルでした。この容器の側面上部に穴を開け、ネジ止め型のホースジョイントを取り付けました。ここに雨樋からホースで水を引いてくるわけです。
側面の反対側も同じように加工して、こちらはオーバーフローした時の水抜き穴としました。大雨で一気に水が貯まると蓋の縁から溢れ出てベランダが水浸しになりますが、普通の雨ならホースを通じてベランダの外に排水可能です。
水の利用方法は極めて原始的で、蓋を開けて柄杓で汲む、あるいは如雨露を沈めて水を入れて撒くという方法を採っています。電動ポンプで汲み上げてホースで水撒きをすれば便利でしょうが、せっかくの天水利用にエネルギーを使うのはどこか負けのような気がするので、そういう方法は考えていません。あくまでスローにゆったりと天からの授かり物の水を使っていくところに良さがあると思っています。
虫の侵入などは全くなく、貯まった水も長期間そのままにしておくことはないので、今のところ水が腐って嫌な思いをしたこともありません。節水が呼びかけられる真夏でも夕立の水などが有効利用できるので、とても気持ちのいいベランダ菜園が出来ています。
もちろん完全に天水で水やりが賄えるわけではなく、足りなくなれば水道から汲んできますが、明日はもう空だな、水道から汲むのは面倒だなと思っている時に雨が降ると、本当に恵みの雨を実感します。ただ鬱陶しいだけだった雨が、地上の植物を潤す慈雨だったということに気が付けたのは、ひとえにこの雨水利用設備のお陰です。
ベランダの耐荷重がどのくらいあるのかは分かりませんが、同じ物をもう一つくらい増やしても何の問題も無さそうですから、今年はもう一つ増設して、さらにたっぷりと天の恵みを頂こうかと計画中です。こう書くと何だかとても欲張りのようですが、雨水はいくら溜めても、誰にも「それ以上はいかん!」とは言われません。人間はこんな贅沢な資源に恵まれていたんですね。有り難いことです。
ベランダストッカーは2千円台で買えますので、これを貯水容器に使えば、とてもリーズナブルな天水利用設備が実現できます。皆さんもいかがですか。