「土笛づくり」by id:maruiti


素朴な土笛。土笛で有名なのはオカリナではないだろうか。
オカリナの存在は幼少の頃から知っていたが、オカリナの音楽と出合ったのは、今から10年程前のこと。
宗次郎の音楽を聴いたのがきっかけだった。
日本を代表するオカリナ第一人者が吹く音色は、それはそれは、魅力的な音色だった。


オカリナは、土笛の一種で手作りもすることができると聞いていたが、その事はいつしか忘れてしまっていた。


その後知人から、主に子供を対象とした土笛作りというものを開催すると聞いた時にそのことを思い出し、その頃はまだ子供がいなかったが手伝いの人にまぎれて、参加させてもらった。


オカリナはさすがに無理だろうが、自分だけのオリジナルの土笛が作れるなんて、考えただけでわくわくした。


渡された粘土は思ったより少なく、およそお握り二つ分位の粘土だった。
粘土をいじること自体が小学生の時以来かも、と童心に帰って喜んだ。


しかも昔遊んだことのある油粘土や樹脂粘土、紙粘土の手触りとはまったく違い本当の土粘土ってすごく滑らかで気持ちいい。
陶芸を体験した者が、土の魅力にはまるのもわかる。粘土を触るのは何気に楽しい♪


まずは粘土を丸めてシワになった部分も水をつけて綺麗にする。
隣の親子は丸い土笛を作るようで、自分は楕円形のオカリナに似た形の土笛を作ることにした。


形を整えたらたこ糸を使って半分に割り、竹串でくりぬく部分に線をつけていく。
残った粘土は乾かないように湿ったタオルで包んでおかないとすぐ乾燥してしまうそうだ。


厚みが同じ位(7ミリ程度)になるように少しずつくりぬく。
力を込めると突き抜けてしまうので注意が必要。みんな最初は騒がしかったが、この作業中は無言になる。


土笛の中身をくりぬいたら、断面に沿って水を塗り、柔らかくしておいた粘土を接着剤代わりにして張り合わせる。
張り合わせた跡は水をつけながら指でなぞって継ぎ目がわからないように。


張り合わせたら少し時間を置いてから、竹串を使って息を吹き込む穴と、その次は指穴を空ける。
穴の調整は 非常に難しく 熟練が必要だ。


子供たちは、粘土のままでも音が出るのには仰天したらしく、鳴った人は一斉に歓声を上げた。
そして鳴らない人は首かしげつつ調整を繰り返す。


講師の方が巡回し、鳴らない人には粘土を削るための竹べらを使ってちょちょい〜っと削ると鳴り出すのはさすがだ・・・・。


半渇きの土笛をビヨー♪
自分のも音がちゃんと出るようになった、穴の押さえ方を変えると音が微妙に変化する。


笛としての?機能をつくりあげたら、お次はアート。
細縄や貝殻や細い竹串などで模様を付けていくのだが、縄文時代に実際に行なわれていた模様の付け方だと聞いて気分はすっかり縄文人
それぞれが好き勝手にいろんな模様を描いていく。
無事笛ができあがり、あまった時間、残った粘土で子供たちと一緒に動物や人形をこしらえた。


一月ほど乾燥させて、焼き上げたのを後日引き取りに行った。
自分の手で土を捏ねて、世界に一つしかない土笛を作ることができた。その音色は宗次郎のオカリナには叶わないが心に響くいい音色だ。


音楽とは音を楽しむと書く。土笛作りを通して土の手触りと土の香り、模様を描いて、眺めてそして音を楽しむことができた。


子供達がもう少し大きくなったら、いつか家族一緒に土笛作りをして、合奏したいと考えている。


»このいわしのツリーはコチラから