「食事のメニューを考えるお手伝い」by id:TinkerBell


地域の子ども活動で知り合った小学生の男の子が、こんな話を聞かせてくれました。
「僕のお手伝いは晩ご飯の献立を考えることなんだ」
お母さんが毎日の献立に頭を悩ましているのを見て、給食の献立を参考にメニューのアイデアを出してみたら、早速翌日の夕食にそれが採用されて、お父さんからも「こういういつもと違う献立もいいな」と大好評。
それがきっかけになって、時々お母さんと「晩ご飯献立会議」を開いているのだそうです。


毎日の食事を作る立場として、このお手伝いは助かりますね。
しかも、こういう形で食の一端を子供に担わせることは、すばらしい食育の一つになると思うんです。
この子は自分なりに色々と調べて、栄養のことも勉強しています。


どういう食材にどういう栄養が含まれているのか。
どういう取り合わせにしていったら健康的な食生活が実現できるのか。
学校の図書室で本を借りて調べたり、給食の献立表の内容を自分なりに分析してみたり。
お母さんを助けようということだけでなく、一種の科学的興味からの探求も楽しんでいるようです。
しかもお母さんと一緒に買い物にも出かけて、食材の価格や季節の素材なども入念にチェック。
どういう献立にしたら、お安く、おいしく、みんなが喜ぶ晩ご飯になるのかと、様々な視点に立ちながら、イエの食卓のプランニングに一生懸命な様子です。
子供って凝り出すと、なかなか本格的なんですね。


後日お母さんともお話をする機会がありましたので、お話を聞いてみました。
すると、今までは子供のリクエストに応えていると食事内容が偏るのであまり聞きたくなかったけど(笑)、今は栄養バランスや日々の変化などを意識して提案してくれるのでとても助かっている。何より助かるのは、自分で勝手に好き嫌いを無くしてくれたこと。食卓のマンネリを防ごうとすると、お魚キライ、お野菜キライなんて言ってられなくなるものね、とのこと。


自分でもお料理するんですかと聞いてみたら、男の子ということもあり、それはほとんどないとのことでした。
でも、世の中には厨房から離れたところで食の根幹に携わっていくお仕事をしている人がたくさんいますよね。
この子のお手伝いも、それと同じです。
子供が「わが家のフードプランナー」として活躍してくれるイエが作れたら、毎日の献立を考えるのが楽になるし、子供の好みに合わせないと食べてくれないという苦労もなくなるし、親子の語らいも促進されるしと、いいことずくめです。


問題は、どうやって仕向けていったら子供がこういうお手伝いをしてくれるようになるかですが、お母さんは「うちは親子の会話が多い方だから、きっかけが掴みやすかったのかなぁ」とおっゃっていました。
また、子供は工夫することが大好きですから、子供の提案の中に隠された工夫をうまく見抜いて、そこを誉めていくのも大切ではないかとのことでした。


全ての子供が食に興味を持つとは限りませんが、子供向け料理番組や料理をテーマにしたマンガが色々あるように、男の子も女の子も、料理の持つクリエイティブな部分には、興味を示しやすいと思うんです。
そこをうまくとらえて、アイデアを出すことで家事に参加していくという新しいお手伝いの形を作り出す。
これはとても注目できる方法ではないかと思います。
私はまだ独身で子供もいませんが、いつかお母さんになったら、こんなイエ作りをしてみたいなぁと思いました。


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