「お金では買えない愛着を大切に!! 傘のリペアに挑戦」by id:TomCat


傘は子供が壊しやすい物の代表格ですが、愛用の傘が壊れてしまうと、子供はとても悲しくなります。「傘さん、痛かった?ごめんね、ごめんね」。そんな子供の優しい心に応えるためにも、傘のリペアに挑戦してみませんか。


ホームセンターなどに行くと、傘の補修パーツが色々と売られています。通販でも色々見つかりますね。



一例をあげると、こちらのパーツセットの場合、
* 石突(すぼめた時に先端となる部分) 2個
* 学童用石突 1個
* ツユ先(放射状に広がる親骨の先端) 4本
* 学童用ツユ先 4本
* 三ツ爪(折れた骨を補修する金具) 3本
* 四ツ爪(同上) 3本
* 角芯(親骨と受け骨の関節部分を補修する金具・親骨に取り付けるパーツと受け骨に取り付けるパーツの組み合わせで成り立っている) 3(大2/小1)


というセット内容のようです(各部名称の詳しいことは「傘 構造」などのキーワードで検索して確認してくださいね)。


なお、こうしたパーツセットは価格帯が高めですが、必要なパーツだけを小袋で買うようにすれば、かなり安価に済ますことも可能です。壊れる前の備えとしてセット物をストックしておくか、壊れてから必要なパーツだけを買いに行くか。それはご自由に選択してください。


さて、それでは修理をしてみましょう。まず修理の前に、親骨から傘生地を外してしまってください。これが付いたままだと、作業がしづらいんです。骨と布が糸で取り付けられている場合は、面倒でも糸を切って外してください。といっても、最近の傘は露先を親骨の先端から抜くだけで済む簡単な構造の物が多いですね。安価な傘はだいたいこのタイプですから、むしろ使い捨てだと思っていた物の方が、直すには楽なこともあるんです。


では、まず骨折の治療から(笑)。単に曲がっただけなら、曲がりを直して、その部分を「三ツ爪」か「四ツ爪」で補強してやるだけで直ります。曲がりは、ゆっくりと戻していきましょう。戻す時に骨が潰れそうな場合は、太さの合う紙紐などを詰め込んでから戻すと上手くいきます。もちろん紐は後で取り除いてくださいね。


「へ」の字型に曲がるだけでなく、ねじれている場合もありますから、状態をよく見て、丁寧に戻してください。この時、ペンチやプライヤーが2本あると作業が楽です。きちんと真っ直ぐ戻っていることを確かめたら金具を当て、爪部分をペンチなどで骨を巻き込むように折り曲げていきます。仕上げに、骨との間に隙間が残ってガタが出ないように、金具の側面にもペンチを当てて、しっかりと締めておきます。


骨がポッキリと折れて離れてしまった場合も基本的な作業は同様です。まず、泣き別れになっている骨をそれぞれ真っ直ぐに修正した後、同様に金具で接いでいきます。


続いては、親骨と受け骨がつながる関節部分の修理です。もし親骨側の軸を通す穴が破損してしまった場合は、まず破損した金具を取り除き(親骨から直接ベロみたいな軸受けが出ている構造の場合は、その部分をニッパーなどで切り取ってしまいます)、そこに「角芯」の親骨用補修金具を取り付けます。取り付け要領は四ツ爪と同じですが、最初はきつく締めない仮止め状態とし、受け骨を仮接続してスムーズに開閉出来ることを確認してから、あらためてペンチでしっかりと締めて固定していくのがコツです。最後に受け骨との接続部分に、軸となるハトメを確実に打って修理完了ですね。


もし受け骨側の穴が破損してしまった場合は、破損した先端を切り落とし、そこに「角芯」の受け骨用補修金具を取り付けます。やはり最初はペンチを軽く使って仮止めし、スムーズな開閉が可能なことを確認してからしっかりと締めていきます。こちらもハトメで本接続して完了です。


なお、ある程度高級な傘の場合、角芯部分には布がかぶせてあると思います。これがは傘生地に錆が付くことを防いだり、磨耗を和らげたりする役目を担っていますので、修理が終わったら忘れずに取り付け直しておきましょう。


最後に、傘生地を元通りにして完了です。糸で縫いつけるタイプの傘には、ロウを染み込ませた糸を使ってください。


なお、傘生地が破れてしまった時は、透明な補修シートがありますから、それを使いましょう。傘生地の汚れをよく拭き取ってから貼っていきます。貼るのは片面だけでもいいですが、両面に貼っておくと、よりしっかり補修出来ます。また、シートの角を丸く落としてから貼ると、剥がれにくくなります。


これでお子さんが、お気に入りの傘が壊れちゃったとしょんぼりしていても、「大丈夫だよ」と笑顔にしてあげることが出来ますね。今、私達は、買った方が安いという時代から、物に込められたお金では買えない愛着を大切にしていく時代への転換点に立っていると思います。傘は買った方が安い場合が多い代表例かもしれませんが、だからこそ親子でリペアに挑戦してみませんか。きっと楽しい経験が出来ると思います。


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