「オリジナルの星座を作ってみよう」by id:Oregano


満天に広がる無数の星々。昔の人は星と星とを結んで、たくさんの星座を考えてきました。たとえば古代エジプトの遺跡からは、星の並びを人の姿などに見立てた図が見つかっています。その習慣が今で言うイラクあたりに住んでいた人々に伝わり、夜を徹して羊の番をしていた人たちによって、後の星占いにも使われていく黄道十二星座が作られた…というのが星座のはじまりらしいですが、さらに時代を遡ると、1万5千年も前のクロマニョン人が描いたラスコー壁画にも、すばるや夏の大三角を描いたと思われる部分があるそうです。壁画を描いた人たちがそれを何の形に見立てていたかはわかりませんが、少なくともその星の並び方が特別目立って見えていたことは間違いなさそうですね。


現代の私たちも、夜空を見上げて星をつなぎ、新しい星座を考えてみませんか。目立つ星の並び方は誰が見ても目立ちますから、オリジナルの星の組み合わせを考えたと思っても、調べてみると既存の星座の形その物だった、なんていうことは多々あります。でも、それを何に見立てるかがオリジナルなら、それはもう考えた人独自の星座と言っていいですね。


たとえば春なら、空の上の方に見える、しし座。私はこれ、キャンキャンとはしゃぎ回るプードルに見えました。だからこれはプードル座。冬の星座で有名なオリオン座も、私にはボタンが付いたシャツに見えました。セーターも着ないで寒そうだなぁ、ブルブル。そんなことを考えながら夜空を見上げていたりしました。


先日ふと気が付いたのは、カシオペヤ座の隣にあるケフェウス座。これ、2つほど星を外すと、イエの形じゃないですか。さらにその隣にあるりゅう座こぐま座の星の一部を合わせると、ハテナマークも描けます。夜空に大きなイエはてなを発見です!!


こんなふうに、よく知られた星の並びを違った目で眺めるだけでも新しい想像がたくさん浮かんできますが、むしろ新しい星座作りを楽しむなら、星座のことなんて何も知らない方が、先入観なく自由に星をつなげていけるでしょうね。その意味では、新しい星座作りの達人は子供です。子供と一緒に星空を見上げて、色々な新しい星座を教えてもらってください。さらにその星座にまつわる新しいストーリーも色々考えていけたら楽しいと思います。


小学生のころ、夏休みの自由課題に、そんなオリジナル星座の話を絵本にして持ってきた女子がいました。主役の星座は、蟹座よりずっと小さな「さわがに座」。ストーリーは次のような感じでした。


夏休みに連れて行ってもらった親の田舎で出会ったサワガニさん。おそるおそる指先で触れてみると、つつつと動きます。女の子はサワガニさんと一緒に、美しい水と緑を楽しみました。女の子とバイバイしたサワガニは、あの女の子なら美しい水を守ってくれるかもしれないと思い、その願いを都会に帰った女の子に届けてほしいと天にお願いしました。すると天の神様が8つの星を「さわがに座」にしてくれました。都会に帰って女の子はそれを見上げてサワガニのことを思い出し、いつまでもきれいな水と緑が守られるように祈りました。


なんか、すごくいいと思いませんか?この手作りストーリー絵本はクラスで話題を呼んで、みんなが夜空を見上げて「さわがに座」を探しました。皆さんもぜひ、創造力を膨らませながら夜空を見上げてみてください。そのときに生まれた星座やストーリーが家族共通の思い出になっていったら、すばらしいと思います。


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