「笑い締め、笑い初めby id:maruiti


 正月といえば、小さい頃よく爺ちゃんに
「正月遊びは縁起を担いだものが多い、遊べば遊ぶほどに家に福を呼べるから正月はいっぱい遊び、いっぱい笑え!」
と言われてたのを思い出した。


昔は正月の間はお店がどこも閉まっており、せっかくお年玉を貰ってもどこにも買い物に行くことができず、
当然学校も冬休みだが、親から友達の家には遊びに行ってはダメだときつく言われていたので(人の家でお年玉を貰うべからず)
家で遊ぶのが退屈になると、近くの公園や河川敷に行き、独楽や凧揚げをして遊んでいる所に自分も混ぜてもらった覚えがある。


そして、正月と言えば作曲は滝廉太郎、作詞は東くめの題名もそのまま「お正月」という正月の子どもの遊びの歌がある。


 一.もういくつねるとお正月 お正月には凧揚げて こまをまわして遊びましょう はやくこいこいお正月
 二.もういくつねるとお正月 お正月にはまりついて おいばねついて遊びましょう はやくこいこいお正月


この歌には正月ならではの遊びが四つ登場する。
一番に凧揚げと独楽回しがあるのはすぐわかる。
二番のまりつきと、その次の歌詞の「おいばね」。これは最近ではあまり聞かれない言葉だが、いわゆる羽根つきのこと。
(二人で交互に一つの羽根をつくのを「おいばね」、一人で数え唄を歌いながらつくのを「あげばね」や「つきばね」と言う)
主に一番が男の子、二番が女の子の遊びの歌である。


そこで改めて正月遊びと縁起について父に聞いたり、それでもわからないところはネット等で調べてみた。
「凧あげ」は昔から「立春の季に空に向くは養生のひとつ」(立春のまだ寒い頃に外に出て空を見上げるのが健康に過ごすコツ、のような意味)
とされ、そして昔は立春が新年だったので、ここから新年=正月として正月遊びの一つとして凧揚げをするようになった。
また凧は「空高く舞い上がる」ことから、子どもがたくましく成長、出世することを願って高く揚げたという説もある。


次に「こま」であるが、これは漢字で「独楽」と書く。
こま、という呼び方は奈良時代に唐(とう)の高麗(こま)を経て伝来したので「こま」と呼ばれるようになった。
独楽に回転を与える方法は指でクルンとひねって回すもの、紐を巻きつけて回すもの、糸をかけて回すものなど19種類ほどもあるそうだが、
独楽の種類としては軸(心棒)を通したディアボロ、軸(心棒)のないベーゴマの二タイプに分けられる。
遊び方も、回転の美しさを楽しむもの、独楽同士をぶつけ合って勝負するもの、紐渡りなど曲芸的な技を楽しむものなど色々ある。
縁起という意味では、軸(心棒)が辛抱に通じることや、一本立ち(独り立ち)に掛けてということらしいが、
日本独楽博物館というサイトで独楽=正月は玩具屋の陰謀説というものを見つけてしまった。
どちらを信じるかは読んだ人次第ですwが経験的には、凧あげと比べて独楽回しは正月限定という遊びではないような気はする。


「鞠つき」は、ゴム鞠ならみたことはあるが、本物の糸で巻いた鞠は飾り用でしか見たことがない。
鞠つきの起源はもともと男性の遊びであった蹴鞠にあり、室町時代にはすでに女性の遊びとしても存在していた、とのこと。
蹴鞠は神事ではあるが、正月特有のものではないため、いつ正月特有の遊びとされていたのかが気になって、調べてみた。
?手まりが厄除けのお守りになっている事例はあるので、縁起をかついで正月に遊んだ、という説があった。
?手まりの起源は平安時代の蹴鞠にあると言われているが、やがてお手玉のように、女の子が手で遊ぶ玩具に発展した。
それは、各地で綿が栽培され、木綿の着物が普及した江戸時代中期のことで、織り糸の端を利用した手まり作りが流行したから。
木綿糸のまりは固く滑らかに仕上がってよく弾み、染め色も美しいので、新年になると、母や祖母から新しいまりを
女の子に贈る風習ができた。
なるほど、新しい鞠をもらえば、すぐにそれで遊びたくなるのは当然だ、そして鞠つきは晴れて正月の遊びとされたというわけである。


それから「羽根つき」(おいばね)は一年の厄を跳ね飛ばすという意味があって、子供の健やかな成長を願うもの。
そして、コンコンと打つ音は災難や邪気をはらうとされて、打ち損じると顔に墨を塗るのも、魔除けのまじないなのだとか。
また羽根つきの最中に羽子板が割れることも「厄が割れた」証であり、とても縁起が良いそうだ。
さらに羽根に使われるムクジロの実は「無患子」と書き、子供が病気を患わないという意味が込められているそうな。
これは縁起が良い。そして、正月意外にやっている子をほとんど見たことがない。まさに正月の縁起ものの遊びだ。


これ以外にも
「双六」(すごろく)
双六という名前は、双方に六つのマス目がある「盤双六」に由来する。
江戸時代に東海道五十三次を進んでゆく「道中双六」や「出世双六」が人気となり、その後、薄くてたためて見栄えがいいことから
少年雑誌の新年号の付録として定着していった。
サイコロをふってコマを進めるだけのシンプルなルール、勝敗は運次第、何人でも参加できることがお正月の家族の団欒にぴったりで、
その年の運だめしにもなります。
最近はサイコロではなく、ルーレットを回すものも多くなりましたが、今でも大人気の「人生ゲーム」はまさに「出世双六」ですね。
ちなみに自分はよく父と一緒にやった将棋盤を使って、金を四枚振って手駒を進ませる、まわり将棋が一番好きだなぁ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%BE%E3%82%8F%E3%82%8A%E5%B0%8...(まわり将棋)


正月の定番「福笑い」。
目隠しして、りんかくを描いた紙の上に、目・鼻・口・耳などを置いていく遊び。
置くまでの過程、もっと右、いや上だと置く人を翻弄させ、出来上がった顔立ちを、つくった本人と一緒に皆も笑って楽しむ。
「笑う門には福来る」と縁起がいいことから、正月にふさわしい遊びになった。


どの正月遊びも縁起をかつぐと共に、笑いが共にあるように思う。
この笑いは「笑う門には福来る」というように、自然な笑いは自分はもちろん周りの人の心を明るくする。
そして笑いは、エクササイズでもあるのだ。


なぜエクササイズかというと、笑うことは心だけではなく体にとっても良い運動なのである。
まず笑うことで 副交感神経が優位になり、血糖値が下がったり、脳の血流が増し、集中力、記憶力も上がる。
そして免疫力も上がって、ガン細胞を破壊したり、腹筋と顔の筋肉も鍛え、顔のハリ艶も保たれる。


年末は大掃除にお節に帰省の準備など、何かと忙しく大変です。
でも、そんな忙しい日々だからこそ、まず起きたら鏡の前でに〜っこり(^V^)自分に笑いかけてみましょう。
家族と暮らしている方は、笑顔で「おはよう」と挨拶を!返事をする人にもつられて笑顔が生まれる。


自分の好きな言葉で、フランス哲学者アランの「幸福だから笑うのではない。むしろ笑うから幸福なのだ」という言葉がある。
大変な大掃除も笑って協力しながらすれば効率が上がり、疲労は減少、そして心と体は健康に。
こうして笑って締めた一年。


そして迎えたお正月。
今年は縁起担ぎしよう!といいつつ伝統のお正月遊びを家族でしてみよう。
家族で正月遊びをすることで世代間の交流が生まれ、団欒もでき正月が皆共通の良い思い出となる。
こうして家族仲よく笑顔で過ごせたら、きっといい一年になるはず。


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