「寒空に映える赤い実・緑の中の赤い実」by id:offkey


庭木のサンシュユは春に黄色い花を咲かせる樹ですが、今はすっかり葉も落ちて、赤い実が目立つ季節になりました。
私は冬になると、木々についている赤い実に目を留めてしまうことが多くなります。
街の街路樹のナナカマドもその赤い実を寒空の中に際立たせています。
雪が降れば、その実に降り積もり、赤がいっそう際立ちますが、そんな様子をみると、この冬に生る実の赤に冬の景色を強く感じるのです。
まるで水墨画の風景に押された朱印のような鮮やかさ。


冬と赤い実はお正月の縁起物にも見ることができます。
その名から縁起が良いと使われる、センリョウやマンリョウの実は赤ですし、同じく「難を転じる」に通じる名として縁起が良いとされるナンテンも赤い実です。
そんな冬の縁起物からもこの赤が暮らしの中に息づいていることを感じます。


我が家にはもう一つ、赤い実をつける樹があります。
常緑樹のイチイで、こちらは初秋に結実するのですが、どうかすると冬になるまで残っている実があったりします。
この季節に緑と赤の取り合わせをみると、クリスマスカラーを連想させてくれます。
クリスマスといえば西洋ではヒイラギが魔よけとして使われますが、その実も赤でした。
赤い実は目立ちますが実はあまり美味しくないものが多いのだそうです。
我が家にやってくる野鳥たちも、最初のうちは柿の実のほうを食べています。
しかし、冬も本格的になって柿の実も尽きてくると、サンシュユにも止まって赤い実をつついているようです。
あまり美味しくないことで、却って冬を養ってくれる赤い実。
そこに自然の巧みさを感じます。


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