「これがわが家の味、幸せ料理と思い出」

#007テーマ
「これがわが家の味、幸せ料理と思い出」


さて、今日は“ディア・ライフ”#007の語らいのスタートです。そのイエ、家族それぞれの暮らしの物語、今回のテーマは「これがわが家の味、幸せ料理と思い出」。うちの味といったらコレ、と思い浮かぶものは何ですか? お料理やおやつ、お茶や飲み物でも、とりわけわが家を語る上で欠かせない味とそのエピソードを聞かせてください。おばあちゃまやお母さまの自慢のひと品、地元ならではの産物や味わい、自家製のお味噌やお漬物、菜園で育てた野菜の味、子どもたちも家族もみんな大好きなうちの定番料理……。その料理にまつわるエピソードや忘れがたい思い出、幸せレシピなど、思い思いに綴ってくださいね! 今回はどんな愛しく美味しいお話が聞けるでしょうか、みなさまからのメッセージを楽しみにお待ちしています!


“アイデア・タイトル”
「父が釣った瀬戸内の魚で母の手料理」
by hazama


“メッセージ”


実家に帰るたび、私の何よりの楽しみはこれ。瀬戸内は広島、父が釣ってきた魚と母の手料理です。チヌ、メバルサヨリ、イサキ、オコゼ、ギザミ、アジ……。チヌのお造りや塩焼き、メバルの煮付けなど、普段いただくことができないだけでなく、やっぱり瀬戸内の味付け、それに母の手料理でなくちゃ。


子どもの頃から、父が釣ったいろんな魚の料理に親しんできました。まず大物がきた日はすぐにお造り。母は漁師の娘ですから包丁使いもさっさとお手のもの。そして小振りなものは焼きものか煮付けに。釣果にほんの小さなフグがいくらか混ざっていたら、翌日の朝のお味噌汁になります。これがまたコクのある最高の味です。サヨリの時期には、母が三枚におろして大葉と梅と一緒にくるくる巻いて、テーブルの上で串揚げにしながらアツアツを頬ばる。これもうれしいご馳走でした。


でも、何といっても煮物。広島で魚の煮付けといえば、お魚のおだしを味わうくらいさっぱりお醤油のうす味。なかでも、ふわふわやわらかくて味の深い白身がたまらないメバルが一等賞。チヌはほんの少しクセがあるものの、お魚そのものの味が濃くて旨い。何せたくさん煮付けますから、得心がいくまで食べて大丈夫。瀬戸内の小魚に特有の小骨を丁寧に取りながら身をほぐし、煮汁と一緒にご飯に混ぜていただくと幸せに震えるくらいの美味、呑みこむのがもったいないくらい!


そんな煮付けに、母は昔からきまって白菜やお豆腐を一緒に入れて添えます。お魚のおだしでもうひと味、もうひとつ栄養をと考えてのことです。もとがうす味ですから、味が淡白で染み込みやすい食材を合わせたんですね。これもうちの定番。


今でも私が帰省する頃を見計らって、大物を食べさせてやろうと、父と弟の二人で頑張ってくれるんですよ。海の潮の加減で、ちょうど帰省中に釣れたらいいのですが、そうでない時には少し早目に釣って冷凍して蓄えておいてくれます。そして煮物、焼きものがどっさりテーブルに。父は「この一番大きいのを食べろ」。弟は「こいつは最後に俺が上げたやつ!」などと、二人の腕自慢や釣りの日の話もわいわいと昔から変わらない(笑)。


地元・瀬戸内の名物、父と弟が釣った魚、母の手料理、そして釣りの腕自慢話、四拍子揃って幸せな……これが私の愛するわが家の味です。


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※今回の「いわし」ご投稿は11月15日(月)正午で終了とさせて頂きます。
※今回のピックアップ賞は11月16日(火)に「イエはてな」にて発表いたします。
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