サプリ・カレンダー賞
「季節を楽しむ〈変わり風呂〉計画」by id:tough


日本人の暮らしに欠かせないお風呂で一年を楽しんでいくサプリです。


1月は「松葉風呂」。縁起のよい松のお風呂は、年の初めにぴったりではないでしょうか。
松葉の煎じ汁の主要な成分は、精油成分、樹脂成分、そしてビタミンCで、血行の促進や冷え性の改善、風邪予防、安眠、ストレス解消、疲労回復、肩こり・神経痛・関節痛や腰痛などの緩和に役立つと言われています。
とのことで、寒い季節に最適ですね。詳しいことは次の書き込みを参照してください。
http://q.hatena.ne.jp/1258519964/239988/#i239988


2月は「みかん風呂」でどうでしょう。布袋に入れたみかんの皮を湯船に沈めて使います。フレッシュな皮でも乾燥させた皮でもOK。お正月に食べたみかんの皮を捨てずにザルに広げて陰干ししておけば、2月にはどっさり使えますね。みかんの果皮には血行を促進するリモネンが含まれているので、ぽかぽかとよく温まり、湯冷めしにくいので、厳寒期のお風呂に最適です。


3月は春らしく「ヨモギ風呂」。まだ春が浅いうちは草丈が小さく、摘んでしまうのがかわいそうなくらいですので、乱獲は避けてちょっとだけ。暖かくなればどんどん伸びてきます。フレッシュなヨモギを使う場合、1回の入浴には茎の数で5〜6本もあれば十分。細かく刻んで鍋で煮出し、茶漉しなどで漉して湯船に入れます。ヨモギの成分が血行を良くしてくれますので、これもよく温まります。また爽やかな香りはストレスをやわらげ、安眠にも役立ちます。


4月は「スギナ風呂」。ツクシの時期が終わると、かわってスギナがたくさん伸びてきます。スギナもフレッシュな葉を使う場合は乾燥させた物に比べて成分が出にくいので、そのまま湯船に浮かべるより、お鍋で煮出した煮汁を注ぎ入れる使い方がお勧めです。これも血行を促進してくれるほか、お肌もしっとりさせてくれるようです。


5月はなんといっても「菖蒲湯」ですね。戦国時代の御湯殿上日記(宮中の女官たちによって書かれた当番日記のようなもの。女官達の控えの間が御所の御湯殿の側にあったことからこの名がある)によれば、当時宮中では5月4日の晩に菖蒲を枕として使い、その菖蒲を5日に湯に浮かべて菖蒲湯としていたそうです。枕として使われたということからもわかる通り、菖蒲の効果はフレッシュな精油。ですから菖蒲湯の場合、乾燥葉は使いません。


6月は、もうドクダミが採取できますから、「ドクダミ湯」を楽しみましょう。ドクダミ湯には乾燥葉も使えますが、フレッシュな葉には、乾燥葉では酸化して失われてしまうデカノイルアセトアルデヒドなどの成分が豊富に含まれ、この抗菌作用が蒸す季節のお肌をさっぱりとさせてくれます。生の葉は匂いが強いですが、それがデカノイルアセトアルデヒドなどの匂いですから、葉や茎を適当に刻んで布袋に入れて浮かべる方法で十分効果が期待できます。多く入れると匂いが強すぎることがありますから、まず少量からお試しください。


7月は香り爽やかな「ミント風呂」。繁殖力旺盛な植物なので、栽培している人はたっぷり使えますね。生のまま布袋などに入れて、湯船に浮かべてください。お湯の中で揉みほぐすようにすると、よく香りが出ます。ミント風呂は湯上がりがスーッとしてすぐに汗が引きますが、同時に血行促進や保温などの効果も併せ持ちますから、冷房による冷えや体のこりなどを解消しつつ爽快な湯上がりが楽しめる、夏に最適なお風呂となります。


8月は、夏のいわしで話題を呼んだ「青ジソ(大葉)」湯。青ジソの成分が持つ抗菌・消臭効果がお肌をさっぱりとさせてくれる、夏に最適なお風呂ですね。
青ジソ風呂は保温力が高いので、長湯をすると火照ってしまいますから、夏はお湯の温度を下げて、ゆったりとくつろぐ入浴の仕方をしてください。
とのことです。
http://q.hatena.ne.jp/1277873642/267069/#i267069
8月はあせもや虫さされなども多くなる季節。「桃の葉風呂」もぜひ楽しんでください。
http://q.hatena.ne.jp/1287550283/274776/#i274776


菊の節句の9月には、キク科の「カモミール」。花の季節は5〜7月ですが、その時期に茎ごと刈り取って風通しの良い場所に吊して乾燥させておいたものを使います。乾燥させることにより、穏やかな抗炎症作用を示すアズレンという物質が現れます。乾燥カモミール20gくらい鍋にとり、煮出した汁を湯船に注いで使ってください。夏の疲れを癒す、優しい香りのお風呂が楽しめます。


10月は「リンゴ風呂」。もちろんリンゴは食べた方がずっと健康のために役立ちますから、まずはどんどん食べましょう。そして残った皮と芯を布袋に詰めて湯船に浮かべるわけです。ただし、種は取り除いて使ってください。リンゴは空気中に放置すると酸化して赤くなりますが、レモン汁を垂らしてポリ袋で密閉しておけば赤くなりません。こうしておけば、朝絞ったジュースの搾りカスを夜のお風呂に、なんていうことも不可能ではありませんね。優しい香りが疲れを取ってくれますし、成分が新陳代謝を高めてくれるとも言われています。


11月は「生姜湯」。体を芯から温めてくれるので、冷え込む季節のお風呂に最適です。根生姜一かけをおろし金で摺りおろし、その絞り汁を浴槽に注いで使ってください。なお、風邪の時の入浴の是非が議論になることがありますが、体調を崩している時は、体力を奪い体に負担をかける入浴は避けるのが原則です。どうしてもお風呂で体を温めたいと思った時は、生姜湯で足湯。生姜湯なら足だけでも全身が温まります。


12月は冬至でお馴染みの「柚子湯」です。柚子を丸ごと浮かべるほか、鍋料理の時に使う柚子果汁の搾りカスを布袋に入れて湯船に浮かべる使い方でもOKです。精油成分が血行を促進してくれて体が芯から温まりますし、新陳代謝も活発になって、年末の忙しい時期の疲労回復にも有効です。


もちろんこれ以外にも、様々な「変わり風呂」が楽しめますから、「何月はこれだけ」と限定するわけではありませんが、あらかじめこうやって予定を立てておくと、そろそろ何湯の季節だなぁとわくわくする楽しみが加わりますね。


なお、こうした「変わり風呂」に使う素材は、必ずよく洗って使うこと。フレッシュな葉茎を使う場合は、虫の付着などにも注意してください。果実類は表面にワックス成分が浸出していますから、まず丸のままの状態で塩を揉み込みながらよく擦り、熱湯でサッと洗い流すといいようです。また人により成分が体やお肌に合わない場合もありますから、まず少量から試し、異常を感じた場合はすぐに利用を中止してください。それぞれに合った「変わり風呂」を見つけて、一年を楽しんでいきましょう。


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