「1年12ヶ月、イエの防災体制グレードアップカレンダー」
by id:momokuri3


やろうやろうと思いながら、なかなか出来ないイエの防災体制強化策。改めてイエの中を見回すと、あの家具は固定した方がいい、あの窓にガラス飛散防止フィルムを貼りたい、あそこは避難路になるから周囲を片付けておいた方がいいなどなど、色々気になることがあると思います。そういうのを1年かけて順次改善、イエの防災体制をグレードアップしていこうというカレンダーです。


まず、実施日を決めましょう。わが家の場合は、毎月第一土曜日にすることにしました。原則的に奇数月を点検とミーティング、偶数月を実際の改善作業をする日として、これを交互に実施していきます。


スタートは11月からです。なぜ11月からかというと、翌月に大掃除を控えているから。したがって、11月のミーティングのテーマは「片づけで向上、イエの安全」。実際にイエの中を見回りながら、いざという時のスムーズな避難を邪魔する物、地震で落下する危険がある物などを点検し、改善個所をリストアップしていきます。翌12月は、大掃除とともに改善作業。これでお正月には福とともに家内安全もやってきます。


1月は、阪神・淡路大震災の教訓も踏まえて、家具や収納の安全総点検を行いましょう。山口大学・大田教授らのグループの調査によれば、なんと震災で命を落とされた方のおよそ1割が、家具の転倒による被害と推定されているそうです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/阪神・淡路大震災#.E7.B4.84600.E4.BA.BA.E3.81.8C.E5.AE.B6.E5.85.B7.E3.81.
AE.E8.BB.A2.E5.80.92.E3.81.A7.E5.9C.A7.E6.AD.BB

危険は家具だけではありません。強い地震に襲われれば、作りつけの収納だって、扉が開く・外れるなどして中身が飛び出してくる恐れもあります。置いてあるだけのテレビやガスコンロやストーブも落ちたり倒れたりするかもしれません。そういう所を総点検。既に固定済みの家具も、もっと優れた固定方法がないか見直していきましょう。窓ガラスや建具・家具のガラスなども要点検です。必要に応じて飛散防止フィルムなどの導入を検討していきましょう。
翌2月には実際に改善すべき所の改善作業を行って、鬼より恐い“家財道具が人を襲う危険”を追い出しましょう。


3月は、そろそろ暖かくなってガーデニング作業も活発化してくると思いますので、そんな季節に合わせて、イエの外回りや外構の危険個所、劣化個所点検を行いましょう。イエの外壁が剥がれ落ちたり、ブロック塀が倒れたりして大きな事故につながることはよくあります。ひさしやベランダなどが丸ごと落ちてしまうケースもあります。そういう危険個所を総点検。改善作業は素人の手に負えない部分が多いと思いますので、これは4月いっぱいまで2ヶ月かけて、必要な部分は信頼のおけるプロにお願いする方向でやっていきましょう。したがって、4月も改善状況の確認と、新たな問題個所の洗い出しを続けます。


5月は赤十字運動月間ですから、いざという時の応急手当について考えていきましょう。すぐに救急車が呼べない、病院にも行けない、そんな大規模災害時に、私たち素人の手で何が出来るのか、どんな経験を積んでおけばいいのか、どんな準備をしておけばいいのかなどを、じっくり話し合っていきましょう。そして家族の中で最低誰か一人、日赤や消防署などが行っている応急手当の講習を受けに行く計画を立てます。
翌6月には、家族全員が参加して、家庭内応急手当実習会を開きましょう。


7月は、1日が国民安全の日(1960年5月閣議決定、産業災害・交通事故・火災等の防止を図る日)ですから、イエの防火体制の総点検をやってみましょう。火を扱う場所(キッチンなど)の整理整頓、カーテンや絨毯その他燃えやすい物の難燃化、消火器や消火バケツの点検、それらの設置場所や消火用水(風呂の水など)についての確保の検討、プロパンガスの場合はガスボンベの転倒防止対策などをチェックしていきます。なお来年は、消防法の改正に伴う火災警報器設置義務化完了年ですから(6月1日以降は既存住宅を含めた全住宅に設置されていなければなりません)、それについても、設置方法や設置すべき場所は適切か、確実に動作するかなどの点検を行っていきましょう。
http://www.fdma.go.jp/html/life/juukei.html
翌8月は、不備な点の改善作業を行います。ついでに、お盆休みなどで長期間イエをあける可能性もある月ですから、防犯体制のチェックと改善もプログラムに入れましょう。


9月は1日が関東大震災の起こった日。その惨事を教訓として防災意識を高める「防災の日」と「防災週間」が設けられています。それに合わせて、非常持ち出し袋、ヘルメットや防災頭巾、非常食・飲料水・応急手当用品、持病がある家族のための医薬品などについて、準備状況の確認、消費期限のチェック、さらにグレードアップすべき点の話し合いなどを行っていきましょう。同時に非常時における各家族の役割、避難勧告や指示が出た場合の避難先(職場や学校にいる時の避難先を含む)、避難経路、避難時に声をかけるべきご近所さんなどについても話し合いを行います。非常時の連絡先(役所などの行政機関、避難所となる建物、医療機関、家族の勤務先・通学先、伝言が頼める遠方の親戚など)の電話番号や住所なども確認して、表にまとめるとともに、各自の携帯にもメモっておきましょう。
翌10月には、避難訓練を行いましょう。非常持ち出し袋を実際に背負って避難所まで歩いてみる、帰宅困難に備えて職場や学校からイエまで歩いてみるなど、実際に体を動かして体験します。


ずいぶんお堅い話と思われるかもしれませんが、こういう目的意識で家族が一つになっていくのは、実際にやってみると、とても楽しいことだと思うんです。家族の安全あってこそのイエの幸せですから、その安全を、1年かけてうんとグレードアップしていきましょう。翌年は前年の経験の積み重ねで、さらにグレードアップした安心なイエ作りも可能になりそうですし、家族の絆も深まります。


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