「10月といえばオクトーバーフェストby id:TomCat


オクトーバーフェスト(Oktoberfest)。ドイツはミュンヘンで開かれる、世界最大規模のお祭りです。その歴史は1810年に遡るそうで、これを日本に当てはめると江戸時代後期の文化7年。大変な歴史のあるイベントです。


これにあやかった日本版オクトーバーフェストも開かれていますが、私達は「イエ版オクトーバーフェスト」。親しい友人たちで集まって楽しむ、秋のBBQのような催しです。


スタートはまずソーセージ作りから。オクトーバーフェストというと主役はビールですが、食べ物といったら、何と言ってもソーセージですよね。これを作る所から楽しむわけです。


もちろんこれは大変手間のかかる作業ですから、ソーセージ作り班は朝も早よから腸詰め作業のために集まります。挽肉機、ソーセージメーカー(レバーを引いて挽肉を押し出すコーキングガンみたいな道具)、薫製器などは各自持ち寄り。羊腸はだいたい4mで挽肉1kgちょっとが詰められますので、一人が200g食べるとしてこれで5人分。羊腸1本に数種類の味付けの挽肉を順次詰めていっても構わないので、色々なバリエーションのソーセージを作ります。


羊腸に挽肉を詰めていく作業は、ソーセージメーカーがあれば一人でも出来ますが、やっぱり数人で協力し合うと楽に出来ますよね。ソーセージメーカーが無い時は、帆布製の絞り袋に口金を付けて、それをすりこぎでしごきながら絞り出していきます。これは二人以上の共同作業が圧倒的に楽。とにかくみんなでわいわいやりながら作ります。


詰め終わったら腸をひねって好みの長さのソーセージに整形して、表面の水分を拭き取ったら、いざ庭に。いよいよスモークの開始です。熱源は木炭ですが、ちょっとした昼間のキャンプファイアーみたいな感じです。できたてをすぐに食べますから、スモークはただの香り付け。保存性は考えなくていいので、高い温度でいぶす熱薫で行います。


もちろんソーセージ作りにスモークは必須ではありませんが、細菌の芽胞(極めて耐久性の強い細胞構造を持った細菌の耐久型形態)には100℃でも殺菌できないものがありますから、それを超える温度を保って行う熱薫は、食の安全にも貢献します。いやー、宴会も科学ですね(笑)


スモーク完了。続いてボイル。このあたりで参加者全員の顔が揃います。ソーセージ作り班に参加していない人達は、最低一品何かの持ち寄りが参加条件。それぞれ、ビールだのジャガイモだのお手製ザワークラウトなどを次々と持ち込んできます。


ジューシーなソーセージとするには、ボイルの温度が大切。70〜75℃のお湯で30分ボイルというのが常道です。もう気の早い連中はビールの栓を開け始めていますが、ボイル係は温度計とにらめっこで、七輪を扇いだり差し水をしたり。


「お前ら早いよー」
「いいじゃんよー」
「そんなこというと魔法使いに頼んでソーセージ鼻に付けてもらうぞ」


なんてわいわい。ソーセージが茹で上がったら、その年の庭提供者の「Prost!!」の掛け声で乾杯。飲み、かつ食べます。もちろんその後も引き続き、ソーセージをボイルした後のお湯を使って、ジャガイモを茹でたりスープを作ったり。作る時間も、待つ時間も、食べる時間も楽しい「イエ版オクトーバーフェスト」の開幕です!!


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