「凧揚げもスポーツ!?スポーツカイトを楽しんでみよう」by id:momokuri3


凧揚げもスポーツになります。日本には昔から「喧嘩凧」なんていうのがありますが、これはなかなか手に汗握る、スポーツ性の高い勝負です。


カタカナ語でいうスポーツカイトには、
・スタントカイト
・パワーカイト
の二種類があります。前者は複数のライン(糸)を巧みに操作してそのフライト技術を楽しむもの。後者は人を引っ張れるほどの強い揚力を持ったカイトを操縦しながら、スケボーやサーフボードに乗った自分を引っ張らせて楽しむものです。


どちらもカイトの操作がポイントということは共通していますが、パワーカイトはかなりの危険も伴うハードなものですから、ここでは操縦技術を楽しむタイプのカイトについて書いていきたいと思います。こちらは人間が引きずられることはほとんどありませんから、安全性については普通の凧揚げとほとんど同じです。

スタントカイトのご先祖は古代中国とも、第二次世界大戦時のアメリカ海軍の射撃練習用の標的とも言われていますが、直接のご先祖は、どうもアメリカの海軍士官が開発したという、ラダーとコントロールバーを装備したカイトだったようです。このカイトは、あたかも戦闘機のような複雑な動きが可能でした。これを軍隊が射撃練習用の的として使ったのです。

戦争も終わった1964年、オレゴン州で、2本のラインのコントロールで複雑な動きが楽しめるスタントカイト「グライト」が発売されました。そして1980年代に入ると構造も素材も大革新を遂げた本格的なスポーツカイトが登場し、今はアメリカやヨーロッパ、そして日本でも、毎年たくさんの競技会が開かれるに至っています。

スポーツカイトの特徴は、前述したように、複数のラインを巧妙に操作していくことにあります。2本ラインの物はデュアルライン、4本ライン物はクワッドラインと呼ばれ、各ラインはカイトを操作するためのハンドルにつながっています。ハンドルといっても、スポンジなどを巻き付けた棒状の物にラインがつながるグリップ型はいかにもハンドルらしいハンドルですが、
・ループを人指し指と中指を引っかけて使うフィンガーストラップ型
・ストラップを手首に巻き付けて使うリストストラップ型
・リストストラップの先にフィンガーストラップが付いたフィンガーリストストラップ型
といった、ハンドルというよりは手の動きを直接ラインに伝えるタイプの物も多く使われています。

このハンドルを駆使して、自在にカイトを動かしていきます。たとえばデュアルラインのカイトで説明すると、右のラインを引けば右方向に弧を描き、左のラインを引けば左方向に弧を描く、といった具合ですね。引く量を上手く加減しながら片方だけ引き続けると、そのまま旋回させることも可能です。ラインは引くだけでなく、ゆるめる操作もできます。ゆるめるということは引く操作の逆ですから、右をゆるめれば左に、左をゆるめれば右に弧を描いていくことになりますが、引く動作とゆるめる動作では動作の素早さやコントロールのしやすさなどが違ってきますから、そのへんは臨機応変に使い分けていきます。

うまくコントロールできるようになると、様々な動きが自在に出来るようになります。こちらに様々な操縦方法のやり方が動画付きで解説されていますから、まぁ見てください。たかが凧揚げのどこがスポーツなんだ?と思われる人もいるでしょうが、この技の数々を見れば、まさしくスポーツと納得されることでしょう。

http://www.esque.co.jp/kite/trick2.htm

こちらは「スポーツカイト世界チャンピオンチームの美技!」と題された動画ですが、複数のカイトが、まるで航空ショーの編隊飛行のように飛び回っています。ここまで自在にコントロールできるようになったらすごいですね!!
http://www.youtube.com/watch?v=sXx2qvvjR1g

とは言っても、実際にカイトを揚げられる場所は限られています。電線の近くでは揚げられません。特に高圧電線の場合、電線に接触しなくても感電の恐れがあります。また人が自由に立ち入ってくる場所も要注意です。ラインや落下したカイトで怪我をさせてしまうことがあります。シーズンオフの浜辺や河川敷、付近に電柱のない休耕中の農地などが近くにあればいいですが、なかなかそうもいきません。

そこで、気分だけでもスポーツカイト。複雑な妙技などは出来ませんが、気軽に飛ばして楽しめるミニカイト、なんていうのはいかがでしょう。手の平にスッポリ収まってしまうような、かわいいカイトがあるんです。「ミニマイクロライト カイト」などのキーワードで検索すると、売っているショップが見つかります。ある意味、凧揚げしながら元気に走り回るのもスポーツカイト。こんなかわいいカイトを引っ張りながら、秋の公園を駆け回ってみるのも楽しいかもしれません。

ただし、ミニサイズながらもラインは15mも付いていますから、市街地ではフルに伸ばすと、電線などに触れてしまう恐れがあります。公園などで遊ぶ場合はラインの長さを短くして、安全に注意しながら楽しんでください。


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