夏休みスペシャル -Summer House Laboratory 2010- アイデア例

“アイデア・タイトル”
「地元産業の現場見学と、記念のモノ作りを体験!」
by hazama


“メッセージ”

子どもと一緒に夏の自由研究。お盆休みの帰省先で私が今年取り組んでみたのは、地元広島の海産物である「牡蠣の養殖場見学」と「記念のモノ作り」です。場所は広島市内にある広島湾「草津漁港」。父の魚釣り場に近いことから、私も何度か行ったことのあるところで、ここなら子どもたちを案内しながら一緒に学べると思い、小学生のはとこ2人を連れだって出掛けました。


「牡蠣フライ好き?」「大好き!」「牡蠣ってどうやって獲れると思う?」「知らん〜」。そんな話から、まずは南区宇品にある「広島市郷土資料館」へ。1階の常設展示室の「広島のカキ養殖コーナー」に、牡蠣養殖の発祥から養殖法の変遷、現在の養殖場のすべてがパネルや道具の展示とともに紹介されていました。


(参考サイト)「広島市郷土資料館/広島のカキ養殖コーナー


漁港の海に作られた「牡蠣筏」、そこに牡蠣の卵を付けるためにホタテの貝殻を一定間隔で何十枚もつなげた仕掛けを吊るす「筏式垂下法」が現在の養殖法。「よく冬が近づくと、ニュースでこの仕掛けを船で引き上げてるところが映るでしょ? 収穫の頃には、この貝殻のまわりにぎ〜っしり牡蠣が育ってくっついてるんだよ」。「なんでホタテの貝殻なん?」。「この平たくて面積が広い貝殻を重ねれば、たくさん卵が付きやすいでしょ? それにこれがプラスティックや鉄だときっと卵も付かないし、やっぱり自然の貝殻にくっつくから牡蠣が育つんだね」。


(参考サイト)
広島市水産振興センター/広島かきの歴史
広島市水産振興センター/筏式垂下法


こうして牡蠣養殖の仕組みを予習して、太陽の光がまぶしい広島湾の海沿いの道をドライブしながら「草津漁港・牡蠣作業場」へ。古い文献に「天文年間、安芸の国において養殖の法を発明何せり」(『草津案内』草津村役場発行、大正13年)とあって、ここ草津が牡蠣養殖発祥の地。


10月終わり頃には、水揚げした牡蠣を選別したり牡蠣打ちしたりする風景も見られる場所です。今の夏場は、6月頃に牡蠣筏から水中に降ろされた仕掛けで牡蠣がすくすくと育っている頃で、養殖工場に人の姿はほとんど見えません。広い広い敷地のあちらこちらに、ホタテ貝殻の仕掛けが所狭しと置かれていたり、水揚げして一度バラバラにした貝殻が丘ほどの山積みになっている光景がひろがっていました。「ほらこれ、みんな貝殻の仕掛け。こんなパイプと貝殻を交互に針金で通して間隔をあけてるんだ……」。そして岸から海を見ると、たくさんの牡蠣筏。「今もあそこで牡蠣が育ってるんだね!」。


作業場の方へ行ってみると、そこにも貝殻の山。そしておじさんが一人、何か片付けをしておられました。今日、子どもたちと一緒に牡蠣養殖について学ぶために資料館やこの「草津漁港」へ見学に来たことを話し、「記念に何か作りたいのでホタテ貝殻の割れて落ちているのを少しもらってもいいですか」と尋ねてみました。すると、「それなら割れてないのをそこから持って行ったらええ。夏休みの宿題か?」と、うれしいお言葉。子どもたちもよろこんで、15枚ほどいただいてきました。


うちに戻って、さぁ記念の工作。はとこたちは、小学4年生と2年生の女の子。二人で何か飾り物を作りたいと迷っているので、真ん中に開いている穴を利用して、窓辺に吊り下げるガーランドにしたら?と提案。実家にあった麻紐に、昨年拾った貝殻やシーグラスを出してくると、シーグラスがお気に入りで、麻紐と格闘しながら二人はこんな可愛いガーランドを作り上げました。出来上がった頃にはもう夜だったので、壁に飾ってスナップ。



そして私は、卓上ランプに貝殻のシェードを付けてみました。本当は、何枚か使って花びらのように囲いたかったのですが、接着が難しくて断念(笑)。でも、貝殻が透けながら、真ん中の穴から光が射し出して、なかなか雰囲気のあるランプになりました。



今回は「広島市郷土資料館」と「草津漁港・牡蠣作業場」の見学でしたが、この草津やほかの養殖漁場を舞台に、「広島かき子ども探検隊」という体験イベントが行われていることがわかりました。平成20年度から、「広島市かき養殖連絡協議会」と「財団法人広島農林水産振興センター」の主催で、9月と3月の2回開催で、仕掛けの「通し替え」から「収穫」「牡蠣打ち」までの一連の養殖作業が体験できるそうです。「地元産品を代表する〈広島カキ〉に対して愛着を育むとともに、食の大切さや地産地消に対する理解を深める」ことが目的に掲げられています。その応募資料をはとこたちに渡すと、きっと参加したい!と張り切っていました。


広島市水産振興センター/広島カキ子ども探検隊」(pdf)


はとこたちは、牡蠣が自分たちの地元が誇る名産品であり、長い歴史の中で産業として育まれてきたことはよくわかってくれたようでした。その次には、ぜひ海の恵みのありがたさや、その栄養豊かな実りをより美味しく味わい伝えていく郷土料理へと興味をひろげてくれたらうれしい。そんなことを思いながら、私も今年の冬は牡蠣の土手鍋や牡蠣飯などの郷土料理に挑戦してみたいと、新しい楽しみができました!


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※今回の「いわし」ご投稿は8月30日(月)正午で終了とさせて頂きます。
※今回のピックアップ賞は8月31日(火)に「イエはてな」にて発表いたします。
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